きたはら邦画

午前0時の旧作日本映画案内

2023-01-01から1年間の記事一覧

MUJI BOOKS『人と物 3 小津安二郎』

www.muji.com やっぱり気になった人のエッセイや随筆を読みたいものである。しかし小津安二郎、今現在まとまったエッセイ集はどれも品切れ、いちおうみすず書房から『東京物語』のシナリオがメインのちょっとだけ収録したものはでている。 www.amazon.co.jp …

『男嫌い』(1964・東宝)

越路吹雪、岸田今日子、淡路恵子、横山道代の独身四姉妹が、世の男性陣に物申す──!「カモね」「そのようョ」「カワイ子ちゃん」等、数々の流行語を生みだした同名ドラマを映画化。木下亮監督によるポップでオフビートなコメディ篇。 (ラピュタ阿佐ヶ谷ホー…

『大空の野郎ども』(1960・東宝)

血気盛んな報道カメラマン夏木陽介と沈着冷静なパイロットの佐藤允。この二人が激しく対立しながら命がけの仕事を遂行していく──。本物のニュース映像、高度二千メートル上空での撮影等、リアルな迫力に満ちた航空映画の傑作。 (ラピュタ阿佐ヶ谷ホームペー…

『親分(ボス)を倒せ』(1963・東映東京)

金の誘惑に負けギャングに身を堕とした元刑事が、殺人現場を目撃した弟を守るため、組織を裏切りボスに挑む。ウィリアム・P・マッギヴァーンの『悪徳警官』を翻案、高倉健主演で描いたハードボイルド・アクション。 (ラピュタ阿佐ヶ谷ホームページより引用…

金子達仁『不器用なもんで。』

不器用なもんで。 (SPA!BOOKS) 作者:金子 達仁 扶桑社 Amazon 小林旭の本をまとめて読んでいるのだけど、数の多いこと! それだけ読者がいるってことだろう。僕も読みたいし。 さて、金子達仁さんといったらスポーツのノンフィクション作家、という…

『驚異のドキュメント 日本浴場物語』(1971・東映京都)

母の命と引き換えにこの世に生を受けた男が、日本古来の温泉場に郷愁を覚えて風呂行脚の旅へ。全国の名湯秘湯からアイデア浴場、さらにはトルコ風呂の㊙……ついに彼がみつけた究極の風呂とは。中島貞夫監督による風俗ドキュメント第二弾。 (ラピュタ阿佐ヶ谷…

『闇を横切れ』(1959・大映)

美人ストリッパーの絞殺死体の傍らに倒れていた革新党候補者。政界のスキャンダルに報道機関は色めき立つが、西部新聞の石塚だけは上司の高沢の支持で独自に調査を始め…。敏腕編集局長・高沢を演じた山村聰のカッコよさに痺れる。音楽を一切使わず、最初と最…

『非情な銃弾』(1959・日活)

殺し屋の小高は弁護士・芦田に依頼され沢村組組長を殺るが、帰り道で銃弾に襲われる。悪徳弁護士と孤独な殺し屋の騙しあい、潜入刑事との奇妙な友情、夜の倉庫街での追跡、列車での殺し屋同士の勝負がクール。山本直純の音楽もカッコいいクライム・サスペン…

『漫画横丁 アトミックのおぼん スリますわヨの巻』(1961・東京映画)

スリの神様・仕立屋銀次の流れをくむおぼん姐さんが、ビート・スタイルの乾分を引き連れ悪人退治に大活躍──。杉浦幸雄の人気漫画を映画化した明朗喜劇。主人公の水谷良重をはじめ、イキのいいお姐ちゃんたちが縦横無尽に暴れまわる。 (ラピュタ阿佐ヶ谷ホー…

『人間に賭けるな』(1964・日活)

愛人の競輪選手に賭け続けるやくざの女房。ギラギラと燃える女の執念に、それまで無気力な生活を送っていた中年サラリーマンもひきずられていく──。松竹ヌーヴェルヴァーグの森川英太郎、田村孟が脚本を手掛けた異色の風俗ドラマ。 (ラピュタ阿佐ヶ谷ホーム…

『伊豆の踊子』(1967・東宝)

伊豆へ一人旅にでた青年が、旅芸人の一行と道連れになり、純粋無垢な踊子の少女に心惹かれていく──。恩地日出夫監督、内藤洋子の組みあわせで、何度もリメイクされた川端文学に挑む。最高に可憐なヒロイン薫の誕生。 (ラピュタ阿佐ヶ谷ホームページより引用…

『闇に流れる口笛』(1961・日活)

口笛を吹く男のシルエットのカッコいいオープニング、に続いて微妙な和田浩治の歌声が流れる(作詞は西村昭五郎)。ボス・芦田伸介が率いる犯罪組織に復讐を誓う口笛の男と、流れ者の和田の関係とは!? 夜のシーンが冴えるアクション・ノワールの佳作で、楠侑子…

斎藤明美 編『高峰秀子 夫婦の流儀』

高峰秀子 夫婦の流儀 (とんぼの本) 新潮社 Amazon 結婚当時、収入格差のあった高峰秀子と松山善三。なぜ「絶対にうまくいかないだろう」と思われていた二人は、うまくいったのか。 写真を交えて紹介するヴィジュアル入門書、こと新潮社のとんぼの本のシリー…

高峰秀子『コーちゃんと真夜中のブランデー』

コーちゃんと真夜中のブランデー: 忘れえぬ人びと 作者:秀子, 高峰 河出書房新社 Amazon 「俳優さんの条件として、飽きられないっていうことが必要だって言ったけど、それは個人的なことですよ、ね。それよりも俳優さんとしての一等の条件は、映画からはみ出…

高峰秀子『ああ、くたびれた。』

あぁ、くたびれた。 作者:秀子, 高峰 河出書房新社 Amazon この本に収録されている「贈り物とパーティ」を読んで、むむむ、と唸った。 苦手なことである、と高峰さんは書いている。 しかしそこは高峰秀子、熟考、そして自分らしく贈り物を贈る。 例えば、手…

高峰秀子『人情話松太郎』

人情話 松太郎 (文春文庫 た 37-8) 作者:高峰 秀子 文藝春秋 Amazon 旧作邦画を観ていると、川口松太郎原作の多いこと多いこと。というわけでどんな人なのか、川口浩(これも僕の贔屓である)のお父さん、であることしかよく知らない作家について興味津々な…

高峰秀子『コットンが好き』

コットンが好き (文春文庫) 作者:高峰 秀子 文藝春秋 Amazon やたらとここしばらく高峰秀子本を紹介しているんだけれど、それはいま、映画を観る予定がなかなか立てず、仕事の合間合間に本を読むくらいしか余裕がないからである。 高峰秀子の本のなかで一つ…

高峰秀子『忍ばずの女』

忍ばずの女 (中公文庫) 作者:高峰 秀子 中央公論新社 Amazon 俳優の演技について語っている本が好きです。 こだわりを垣間見ることができると、おおっ、と思う。 高峰秀子はさまざまなエッセイで、自分の役作りについて語っている。こちらの本は、文庫のうし…

高峰秀子『類型的なものは好きじゃないんですよ』

先日読んだ『高峰秀子が愛した男』から俄然興味をもち、高峰秀子のエッセイをまとめて読んでいる。 というわけで、この写真いいな〜ということで読み出した。 類型的なものは好きじゃないんですよ 作者:高峰秀子 河出書房新社 Amazon 生前本になっていなかっ…

斎藤明美『高峰秀子の言葉』

高峰秀子の言葉 (文春文庫 た 37-30) 作者:斎藤 明美 文藝春秋 Amazon 高峰さんがお亡くなりになって半年たったときからこの本は始まる。著者で、高峰さんの養女である斎藤さんは、高峰さんがかけてくれた言葉を反芻していく。それは高峰さん自身のスタイル…

斎藤明美『高峰秀子が愛した男』

高峰秀子が愛した男 作者:明美, 斎藤 河出書房新社 Amazon 松山善三の顔はいい。一人でいる時のなんとも愁のある表情、そして妻・高峰とのツーショット写真には、多くを語らない男がほわっと滲み出てしまう愛情が漂う。 1925年生まれ、シナリオライター(ご…

『広い天』(1959・松竹大船)

昭和二十年。母と別れて一人疎開先に向かう少年と、列車内で知りあった奇妙な中年男との交流を描いた心あたたまる物語。獅子文六の評判小説の映画化で、やさしい「馬おじさん」には原作のイメージにぴったり伊藤雄之助。 (ラピュタ阿佐ヶ谷ホームページより…

『慈悲心鳥』(1954・新東宝)

親友同士(金持ちと優等生)が令嬢を好きになるが、彼女は義母の意向で金持ちと結婚。恋に破れた優等生は検事になり、元親友の疑獄事件を担当することになる。宇野重吉、香川京子、斎藤達雄、安部徹ら豪華メンバーが脇を固める菊池寛原作のメロドラマ。人形…

『あばれ行燈』(1956・新東宝)

仲間の藤太郎(田崎潤)から、子供の頃に飛び出してきり会っていない母に金を渡してくれるように託された渡世人秋太郎(鶴田浩二)。彼の故郷に向かうが、藤太郎の母おしの(滝花久子)に息子が帰ってきたと勘違いをされ…。股旅物の大家・子母澤寛の原作の映画化だ…

『美男をめぐる十人の女』(1956・新東宝)

職業婦人が暮らす寮に山男がやってくる。髭面から一転、イケメンに変身した高島忠夫を利用しようと女たちは大騒ぎ。あげくに全員が高島に惚れて、協力して彼と社長令嬢との恋路を邪魔することに。令嬢宅の女中・宮城まり子も歌うロマコメ・ミュージカル。寮…

『名画座手帳2024』

シネマヴェーラ渋谷の「復活!玉石混淆!? 秘宝発掘!新東宝のディープな世界」を18本観ると、アレがもらえるのです。 あれとは? そう、旧作邦画愛好家の身分証明(?)、名画座手帳です。 中身は充実しています。 マンスリー・ウイークリーはもちろんのこと…

『あこがれ』(1966・東宝)

同じ養護施設出身の若い男女が再会、大きな境遇の違いのなか愛を育んでいく──。東宝青春映画のアイドルスタア内藤洋子、初の主演作。恩地日出夫監督が彼女のもつ新鮮さをいかしみずみずしいムードをつくりあげた。 (ラピュタ阿佐ヶ谷ホームページより引用)…

『花嫁さんは世界一』(1959・東京映画)

カリフォルニアから二世の青年が花嫁探しにやってきた! 大阪・広島・名古屋と三人の候補者とお見合いをするのだが、さて運命の相手はみつかるのか──。主演フランキー堺、雪村いづみ。新藤兼人監督には珍しい軽めのコメディ。 (ラピュタ阿佐ヶ谷ホームペー…

『女体』(1969・大映)

まるでカラーチャートのような、浅丘ルリ子のカラフルな着こなしが楽しい。 激しく、美しく、狂おしく。魔性の女ミチの多彩な愛の遍歴と破滅。ルリ子を高く評価していた増村保造が、彼女を想定して、池田一朗とともにオリジナル脚本を執筆。 (ラピュタ阿佐…

『浅草の夜』(1954・大映)

やくざ育ちの青年脚本家、鉄火の踊子、青年画家と純情な下町娘が浅草を舞台に展開する恋と活劇の娯楽巨篇 (Prime Videoより引用) 監督:島耕二 出演:鶴田浩二/京マチ子/若尾文子 浅草の夜 鶴田浩二 Amazon 劇場の踊り子・京マチ子とおでん屋で働いている若…