村上春樹の小説『アフターダーク』に触発され監督自身が脚本を書いた本作は、暗い退廃と残酷な暴力の匂いが漂っている。既に監督デビューしていた黒川幸則やカジノが演出部として協力している事や、日活の若手編集部の参加にも注目。
(ラピュタ阿佐ヶ谷ホームページより引用)
監督:工藤雅典
出演:友田真希/寧々/藍山みなみ/那波隆史/飯島大介
どこらへんがアフターダークなんだろうな、と思って観ていたら、たしかにこれは!
再開発事業に関わる女はかつて上司とデキていた。しかしいま、上司は同僚と……。
そしてポン引きの男と運命的な出会いをすることに。売春をしていると誤解され抱かれたとき、彼女は「自分を理解してくれる」と直感的に感じる。会いたければ売春して金をよこせ、といった男の言葉をまに受け、彼女は……。そして多発する暴力行為をし、相手の肌に傷をつける男の正体は……。
たしかに全体のムードは暗い。いや、エロってほの暗いものだったりするんだけれど、そういうレベルでなく、暗い。東京の闇のようだ。
そしてラスト、夜明けはやってくる。
女は結局「理解者」を手に入れることはできず、男は逃げようと部屋に戻ると、情婦がヤクザに……。