邦画と銭湯

映画を観て風呂に入るブログ

『闇を横切れ』(1959・大映)

美人ストリッパーの絞殺死体の傍らに倒れていた革新党候補者。政界のスキャンダルに報道機関は色めき立つが、西部新聞の石塚だけは上司の高沢の支持で独自に調査を始め…。敏腕編集局長・高沢を演じた山村聰のカッコよさに痺れる。音楽を一切使わず、最初と最後に山村が口笛で「ラ・マルセイエーズ」を吹く趣向が印象的な傑作。

シネマヴェーラ渋谷ホームページより引用)

 

監督:増村保造

出演:川口浩/山村聰/叶順子/滝沢修/高松英郎/杉田康/三田村元/八潮悠子/大山健二/滝花久子/潮万太郎/松本克平/浜村純/見明凡太朗

いや、ほんとにカッコよすぎだ山村聰! そして増村映画のなかでもかなり好きな作品だった。もういちいち痺れる(ポケットチーフとかライターとか!)。

まだまだ新米扱いの熱血新聞記者、川口浩、そしてその姿を若い頃の自分のようだという山村。地方の市長選挙期間中に起こった殺人。容疑者は革新派の候補。しかし殺したのは「頬に傷のある男」ではないか、と川口は調査するも、よいところで突然口封じのような殺人が。どうやらスパイが。

一体誰が……。ネタバレしてもスリリングなので大丈夫かと思いますが、はい、局長の「調査をしろ」という山村だったんですね。

最後、権力者に協力してきた山村が、新聞記者魂炸裂の局員たちへの演説アンド、啖呵! 男!

しかし山村にも「頬に傷のある男」が…。

連絡がきてざわめく記者たち。しかし山村を憧れ続けた川口は、がむしゃらに原稿を書くのだ。

骨太の男の映画である。