きたはら邦画

午前0時の旧作日本映画案内

2024-03-01から1ヶ月間の記事一覧

『若い豹のむれ』(1959・日活)

日刊スポーツ連載小説、秋永芳郎原作映画化、マイト・ガイ、アキラの魅力を爆発させる青春アクション巨篇。 (Prime Videoより引用) 監督:松尾昭典 出演:小林旭/沢本忠雄/待田京介/青山恭二 若い豹のむれ 小林旭 Amazon 小林旭は大学生、ボクサーチャンピ…

『復讐の牙』(1965・大映)

かつてスリ集団のボスだった田宮二郎は、弟によって自分が死んだことにされているのを知り…。自分の墓に花を添える謎の女、怪しいヨットハーバー、そして組織を陰で操る“土曜日の男”とは!? 田宮のスリ技の見事さと小山明子の美しさが際立つ、大映らしいシャ…

『ホノルル・東京・香港 HONOLULU-TOKYO-HONGKONG』(1963・東宝、キャセイ・オーガニゼーション)

“香港三部作”の第三作。前二作がビター・スウィートなメロドラマだったのに対して、本作ではハワイや香港にロケをした、コメディ・タッチの華やかなドラマになった。場面ごとに衣装を変える尤敏のファッションや草笛光子のフラダンスがグッド。脚本は松山善…

『彼女だけが知っている』(1960・松竹)

連続強姦事件の毒牙にかかった娘は…。ヒロインの苦悩と葛藤に事件の行方を絡めて描いたサスペンス。松竹ヌーヴェルヴァーグの牽引者の一人である高橋治監督のデビュー作で、中村八大によるMJQスタイルの音楽、傾いた構図、影を強調した画面構成など斬新な…

『二人の息子』(1961・東宝)

一流企業に勤めて妻子を養う兄と、タクシー運転手で気ままに生きる弟は、仲のよい兄弟だったが、父親の突然の失職を機に対立する。高度経済成長の陰で、押しつぶされそうになる家族の絆を凝視したビターなホームドラマの傑作。脚本は松山善三のオリジナル。 …

『やっさもっさ』(1953・松竹大船)

終戦間もない横浜で混血児を預かる児童養護施設の切り盛りを任された野心家のヒロインを、若き淡島が体当たりで演じた。淡島のデビュー作『てんやわんや』の監督・原作コンビで、淡島の個性がさらに際立った辛口社会派コメディ。 (神保町シアターホームペー…

『大番 完結編』(1958・東宝)

シリーズ第四作。1949年、東京証券取引所が再開。故郷に戻っていた“ギューちゃん”は再び兜町へ。戦後の日本経済は朝鮮戦争の特需景気もあって好景気に沸く。“ギューちゃん”は一世一代の大勝負に出るが……。足かけ二年にわたる大ヒット・シリーズ堂々の完結篇…

『水戸黄門漫遊記』(1969・東宝)

幾度となく映画化されておなじみの水戸黄門の諸国行脚を森繁久彌はじめ喜劇人総出演で描く。撮影中、千葉は心臓発作を起こし、健康不安を抱えることになったため、本作が最後の映画作品となった。以後の千葉は東宝製作のテレビに活動の軸足を置くことになる…

『沈丁花』(1966・東宝)

松山善三の原作をもとに、歯医者の家に生まれた四姉妹の結婚をめぐる騒動をオールスタア・キャストで描いた、多幸感溢れるホームドラマ。四姉妹が並んで歩く冒頭から心を鷲掴みにされる憎い作劇。センス抜群のセリフの掛け合い。高峰秀子監修の衣装も眼福な…

『続々 大番 怒涛篇』(1957・東宝)

シリーズ第三作。日中戦争の激化によって相場は低迷。借金まで背負った“ギューちゃん”は失意のあまり故郷に戻るが、統制品の値上がりを目にして闇商売で儲けると、今度は大阪で株取引を再開する。新たに山茶花究等のキャストを加え、ますます快調の大阪上陸…

『香港の星 STAR of HONG KONG』(1962・東宝、キャセイ・オーガニゼーション)

“香港三部作”の第二作。前作とストーリー上につながりはなく、独立したメロドラマ。商社マンの日本人男性と中国人医学生のすれ違いのラブロマンスを、香港・日本・シンガポール・マレーシアをまたいで描く。脚本家は前作の井手俊郎から笠原良三に交代。 (ラ…

『銀座の恋人たち』(1961・東宝)

井手俊郎のオリジナルの映画化。銀座を舞台にして、隣り合う二つの店の家族とその周辺という、狭い人間関係が複雑にもつれ合い、色恋沙汰を繰り広げる物語をオールスタア・キャストでさわやかに描く。人物の交通整理に迷いがない千葉演出の凄さを堪能せよ。 …

『續 大番 風雲篇』(1957・東宝)

シリーズ第二作。前作で大儲けした“ギューちゃん”は、株の大暴落でスッテンテンに。故郷の宇和島に帰ったが、捲土重来を期して再び上京。盟友“新どん”と店を開き、大成功するが、折から日中戦争が勃発。激動の金融業界を生き抜く“ギューちゃん”の波乱万丈は…

『香港の夜 A NIGHT IN HONGKONG』(1961・東宝、キャセイ・オーガニゼーション)

東宝が香港の製作会社キャセイと組んで合作した“香港三部作”の第一作。二枚目・宝田明の相手役に、“香港の真珠”と呼ばれた尤敏(ユーミン)を配して、英語・日本語・中国語が入り混じる、国境を越えた甘口のロマンスが展開する。恋仇になる司葉子の美しさも…

『泥だらけのいのち』(1963・日活)

泥だらけの手が、やきつく瞳が、あすにむかって突き進む!男の激情と女の純愛がはげしくぶつかる青春の十字路...。ふとしたことから、やくざの泥沼の世界にとびこんだ青年が純愛と不屈の闘志で立ち直ってゆく、若さとパンチあふれる青春大作。 (Prime Video…

『長屋紳士録』(1947・松竹大船)

小津の戦後第一作で、余儀なく戦災孤児を預かった女と、同じ長屋の住人達が紡ぐ人情噺。劇中の「のぞきからくりの唄」は、実際の酒宴で笠が披露した小津のお気に入り。 (神保町シアターホームページより引用) 監督:小津安二郎 出演:飯田蝶子/青木放屁/吉…

『大番』(1957・東宝)

1956年から雑誌「週刊朝日」に連載された獅子文六の同名小説の映画化。昭和初期、四国の寒村に貧農の子として生まれた“ギューちゃん”こと赤羽丑之助が裸一貫ならぬ浴衣一枚で上京し、兜町を舞台に株で立身出世するさまを描く、相場版太閤記全四作の第一作。 …

『若い恋人たち』(1959・東宝)

光学メーカーの技師である修一は、伯父が持ってきた令嬢との縁談を断り、家を出て銀座のバーで勤める和代と同棲を始める。周囲は二人の仲を裂こうとし、修一の妹も二人を偵察することになるが、彼女にも意中の人ができて……。笠原良三のオリジナルの映画化。 …

『昭和やくざ系図 長崎の顔』(1969・日活)

高間組の跡継ぎ、高間慶二が刑期を終えて長崎に帰ると街は想像以上に変わり果て、高間組のシマも新興やくざの松井組に奪われていた。慶二の恋人・加代子は慶二が堅気の世界に戻るよう願っていたが慶二は加代子の反対を押し切って、組を立て直すために三代目…

『実録 私設銀座警察』(1973・東映東京)

昭和二十一年、敗戦直後の無法地帯と化した銀座。ここに元特攻隊員、予科練帰り、戦前派博徒らが結集し暴力集団「銀座警察」を結成する──。残虐!凄惨!すべてがすべて壮絶な最期を迎える、東映実録ヤクザ映画の極北。 (ラピュタ阿佐ヶ谷ホームページより引…

『明日の夢があふれてる』(1964・松竹大船)

浅草の六区──古いのれんを誇る天ぷら屋「天勝」を舞台に、元気いっぱいの看板娘・鰐淵晴子と父、周囲の人々が織りなす騒動を描く。下町喜劇を手がけては定評のある番匠義彰監督がメガホンを担当、カメラはベテランの厚田雄春。 (ラピュタ阿佐ヶ谷ホームペー…

『めぐりあい』(1968・東宝)

川崎の工場街に生きる貧しい職工と部品問屋の女店員。それぞれの家庭問題や社会事情をたくみに織りこみながら、若い二人の愛と成長を描いていく。映画初主演、酒井和歌子のきらめき!内藤洋子と人気を二分する青春スタアとなった。 (ラピュタ阿佐ヶ谷ホーム…

『波影』(1965・東京映画)

若狭小浜の遊里。ただひたすら他人に尽くし愛を与え続けて死んだ娼妓・若尾文子の半生を、娼家の娘の眼を通して描く。豊田四郎監督が脚本八住利雄、撮影岡崎宏三、美術伊藤熹朔と不動のパートナーを配して水上文学に取り組んだ。 (ラピュタ阿佐ヶ谷ホームペ…

『柳生武芸帳』(1961・ニュー東映京都)

徳川三代将軍家御指南役、天下お止め流として名高い柳生家に伝えられる「柳生武芸帳」水月、浮舟の二巻──。これをめぐって因縁ある武芸者たちが暗躍する。五味康祐の同名傑作小説を、近衛十四郎の柳生十兵衛というハマリ役で映画化したシリーズ第一作。 (ラ…

『DOKIDOKIヴァージン もういちどI LOVE YOU』(1990・日活)

「童貞のまま死ぬなんていやだあ」という叫びもむなしく、交通事故で天国に召された中沢秀樹(林泰文) 。念願叶って彼が甦った先は、隣の町の女の子、真理のカラダだった。これじゃ童貞にさよならできない!とがっかりする秀樹だったが、真理の姉・理子(古…

『踊りたい夜』(1963・松竹大船)

三人姉妹「ピンクタイツ」が繰り広げる恋とショウビジネスの世界──。井上梅次監督お得意のミュージカルもので水谷良重、倍賞千恵子、鰐淵晴子が各々の魅力を発揮。チャーミングな歌と踊りが存分に堪能できる。 (ラピュタ阿佐ヶ谷より引用) 監督:井上梅次…

『東京の恋人』(1952・東宝)

原節子と三船敏郎共演のラブコメディ。銀座の宝石商の前で似顔絵描きをしているユキと靴磨きの少年三人組は、ひょんなことから偽ダイヤを本物と取り違える騒動に巻き込まれる。銀座周辺にロケした実景や、開閉する勝鬨橋の様子など、当時の東京の風景は超貴…

『編笠権八』(1956・大映)

追うは恋の鉄火芸者、妖魔の剣豪! 迫るは復讐の美女! 恋と剣戟の痛快時代劇! (Prime Videoより引用) 監督:三隈研次 出演:市川雷蔵/近藤美恵子/三田登美子 編笠権八 市川雷蔵 Amazon 今回の雷蔵は、事故(というかザコ弟子が雷蔵を逆恨みして襲ったときに…

『驟雨』(1956・東宝)

結婚から4年、子供のいない夫婦に倦怠期が訪れている。何の予定もない日曜日、ケンカをしているわけではないが、二人の会話に思いやりの言葉はなく、互いの行動にケチを付け合うばかり。ある日、新婚旅行から戻ったばかりの文子の姪・あや子が訪ねてくる。夫…

『花の才月』(1962・日活)

両親と死に別れた貧しい少女・ひろ子は幼い弟を抱えながらも飯場の炊事場に住み込み、炊事の合間に寺の庭の花を売って歩くことにした。ひろ子の健気な働きぶりに、寺の放蕩息子・元享も自分の自堕落な生活を反省し、飯場で働くことにした。ところがある日、…