きたはら邦画

午前0時の旧作日本映画案内

映画本

梶谷いこ『和田夏十の言葉』

和田夏十さんは市川崑のパートナーであり脚本家。やっぱりぼくの世代では『黒い十人の女』(昔リバイバルブームがあった。まあドラマにもなったしね)である。 和田さんの脚本とエッセイをまとめた『和田夏十の本』というのもある(いまはKindleで読める)。…

『スーダラ節 わかっちゃいるけどやめられねぇ』(1962・大映)

立身出世を夢見て、晴れて新入社員となった石橋信一と夢田春男の2人の青年。ところが入社早々、社長とその令嬢の渡米が決まり、有能な独身社員がお供に選ばれることになったからサア大変。 涙ぐましい社内競争が始まった。 (Prime Videoより引用) 監督:弓…

MUJI BOOKS『人と物 3 小津安二郎』

www.muji.com やっぱり気になった人のエッセイや随筆を読みたいものである。しかし小津安二郎、今現在まとまったエッセイ集はどれも品切れ、いちおうみすず書房から『東京物語』のシナリオがメインのちょっとだけ収録したものはでている。 www.amazon.co.jp …

金子達仁『不器用なもんで。』

不器用なもんで。 (SPA!BOOKS) 作者:金子 達仁 扶桑社 Amazon 小林旭の本をまとめて読んでいるのだけど、数の多いこと! それだけ読者がいるってことだろう。僕も読みたいし。 さて、金子達仁さんといったらスポーツのノンフィクション作家、という…

斎藤明美 編『高峰秀子 夫婦の流儀』

高峰秀子 夫婦の流儀 (とんぼの本) 新潮社 Amazon 結婚当時、収入格差のあった高峰秀子と松山善三。なぜ「絶対にうまくいかないだろう」と思われていた二人は、うまくいったのか。 写真を交えて紹介するヴィジュアル入門書、こと新潮社のとんぼの本のシリー…

高峰秀子『コーちゃんと真夜中のブランデー』

コーちゃんと真夜中のブランデー: 忘れえぬ人びと 作者:秀子, 高峰 河出書房新社 Amazon 「俳優さんの条件として、飽きられないっていうことが必要だって言ったけど、それは個人的なことですよ、ね。それよりも俳優さんとしての一等の条件は、映画からはみ出…

高峰秀子『ああ、くたびれた。』

あぁ、くたびれた。 作者:秀子, 高峰 河出書房新社 Amazon この本に収録されている「贈り物とパーティ」を読んで、むむむ、と唸った。 苦手なことである、と高峰さんは書いている。 しかしそこは高峰秀子、熟考、そして自分らしく贈り物を贈る。 例えば、手…

高峰秀子『人情話松太郎』

人情話 松太郎 (文春文庫 た 37-8) 作者:高峰 秀子 文藝春秋 Amazon 旧作邦画を観ていると、川口松太郎原作の多いこと多いこと。というわけでどんな人なのか、川口浩(これも僕の贔屓である)のお父さん、であることしかよく知らない作家について興味津々な…

高峰秀子『コットンが好き』

コットンが好き (文春文庫) 作者:高峰 秀子 文藝春秋 Amazon やたらとここしばらく高峰秀子本を紹介しているんだけれど、それはいま、映画を観る予定がなかなか立てず、仕事の合間合間に本を読むくらいしか余裕がないからである。 高峰秀子の本のなかで一つ…

高峰秀子『忍ばずの女』

忍ばずの女 (中公文庫) 作者:高峰 秀子 中央公論新社 Amazon 俳優の演技について語っている本が好きです。 こだわりを垣間見ることができると、おおっ、と思う。 高峰秀子はさまざまなエッセイで、自分の役作りについて語っている。こちらの本は、文庫のうし…

高峰秀子『類型的なものは好きじゃないんですよ』

先日読んだ『高峰秀子が愛した男』から俄然興味をもち、高峰秀子のエッセイをまとめて読んでいる。 というわけで、この写真いいな〜ということで読み出した。 類型的なものは好きじゃないんですよ 作者:高峰秀子 河出書房新社 Amazon 生前本になっていなかっ…

斎藤明美『高峰秀子の言葉』

高峰秀子の言葉 (文春文庫 た 37-30) 作者:斎藤 明美 文藝春秋 Amazon 高峰さんがお亡くなりになって半年たったときからこの本は始まる。著者で、高峰さんの養女である斎藤さんは、高峰さんがかけてくれた言葉を反芻していく。それは高峰さん自身のスタイル…

斎藤明美『高峰秀子が愛した男』

高峰秀子が愛した男 作者:明美, 斎藤 河出書房新社 Amazon 松山善三の顔はいい。一人でいる時のなんとも愁のある表情、そして妻・高峰とのツーショット写真には、多くを語らない男がほわっと滲み出てしまう愛情が漂う。 1925年生まれ、シナリオライター(ご…

『名画座手帳2024』

シネマヴェーラ渋谷の「復活!玉石混淆!? 秘宝発掘!新東宝のディープな世界」を18本観ると、アレがもらえるのです。 あれとは? そう、旧作邦画愛好家の身分証明(?)、名画座手帳です。 中身は充実しています。 マンスリー・ウイークリーはもちろんのこと…