きたはら邦画

午前0時の旧作日本映画案内

『浅草の夜』(1954・大映)

やくざ育ちの青年脚本家、鉄火の踊子、青年画家と純情な下町娘が浅草を舞台に展開する恋と活劇の娯楽巨篇

(Prime Videoより引用)

 

監督:島耕二

出演:鶴田浩二/京マチ子/若尾文子

 

劇場の踊り子・京マチ子とおでん屋で働いている若尾文子は姉妹。若尾は絵描きの男と恋愛関係だが、マチ子は交際を許さない。

小屋付き脚本家の鶴田浩二と京は、憎まれ口を叩きながらもなんとな〜くいい感じである。観客のためにエログロを書けと上から言われたり、演出家の先生がクビになる騒動、そして、若尾を嫁にしたいと劇場の親分の息子も現れる。

なぜ京が妹の交際を認めないのか、いい顔をしていたやつの思惑、姉妹の出生の秘密と解決がなされた夜に、鶴田は福島屋の息子に喧嘩を売られ……。

いまの浅草もノスタルジック売りであるが、やはり昔の浅草とはずいぶん違う。当たり前だけど。

夜はとても暗い。その暗さのなかで、喧嘩も恋もある。

鶴田浩二京マチ子、そして若尾文子。めちゃめちゃ豪華! な一作。冒頭のダンスシーンが素晴らしい。からの楽屋裏の雰囲気も。この時代を生きていないのに、なんだか懐かしい。