きたはら邦画

午前0時の旧作日本映画案内

『柳生武芸帳』(1961・ニュー東映京都)

徳川三代将軍家御指南役、天下お止め流として名高い柳生家に伝えられる「柳生武芸帳水月、浮舟の二巻──。これをめぐって因縁ある武芸者たちが暗躍する。五味康祐の同名傑作小説を、近衛十四郎柳生十兵衛というハマリ役で映画化したシリーズ第一作。

ラピュタ阿佐ヶ谷ホームページより引用)

 

監督:井沢雅彦

出演:近衛十四郎/里見浩太郎/山城新伍/品川隆二/花園ひろみ/伊吹友木子/堺駿二/阿部九州男

 

ラピュタ阿佐ヶ谷の2024年一発目、モーニングショーは『近衛十四郎柳生武芸帳』であった。(これ書いているの正月です。タイムラグすげえ)

剣豪スター近衛十四郎のシリーズもの一挙上映、なのだが、毎度毎度朝10時過ぎに現地に向かうのはかなりきつい。しかしひとまず一作目は必ず観ておきたい。というわけで、正月二日から阿佐ヶ谷である。ある意味勤勉。

柳生武芸帳をめぐって、人物たち入り乱れ、柳生一門のみならず、お家復興を願う者、お転婆お姫様らのサイドストーリー入り乱れる。しかも最後にきちんと収束、これは人気でるわ、痛快。

川口松太郎柴田錬三郎の作品もだけど、五味康祐作品……いや、だいたいの映画がなんですけど、「日本狭すぎやしねえ?」というくらいに偶然重なる(笑)。いや、そこは突っ込むところじゃないんだろうけど。昔の日本って、村レベルで小さかったのか? とたまに思うこともある。

若かりし山城新伍の美形ぶりに驚いたり(僕の世代はトーク番組のMCをしているイメージが強いので)、里見浩太朗ってえらい綺麗な顔してるな〜などなど、「人は誰しも青年時代があったのだ」なんてどうでもいい感慨に耽ってしまった。

「日本映画史上最も殺陣の上手い役者」こと松方弘樹パパの近衛十四郎、剣の使い手で女に弱い(むりやり見合いのために髭を剃られるシーン、かわいい)という人間味あふれる役どころ、そりゃみんな好きになります、シリーズで追いかけたくなります。