「童貞のまま死ぬなんていやだあ」という叫びもむなしく、交通事故で天国に召された中沢秀樹(林泰文) 。念願叶って彼が甦った先は、隣の町の女の子、真理のカラダだった。これじゃ童貞にさよならできない!とがっかりする秀樹だったが、真理の姉・理子(古川リカ)は目の前で平気で裸になるし、女子更衣室だって出入り自由、と夢のようなシーンの連続。しかも真理の親友・早智子(中山忍)は胸キュンもののカワイイ子。秀樹はカラダのことも忘れて、早智子に恋してしまう。水泳部に入っている早智子には、憧れのひとがいる。秀樹の同級生で水泳部のライバルだった柿沼だ。彼は評判のプレイボーイ。初めてのデートで家に連れこまれた早智子は、強引にベッドに押し倒される。ああ、早智子のヴァージンが危ない!
監督:中原俊
ウィキを確認してみると、中原俊の傑作『桜の園』『十二人の優しい日本人』の前年に公開されたものである。
いうなればちょいエロコメ、しかもこれを観たのが今年(2024年)の正月なんだが、なんでこのタイトルで観る気になったのか、観る前のことがすっかり思い出せない、なぜならいい意味で期待を裏切られて。
観終わってすぐにこの文章を書いているんですけど、見つけることができてよかったとしみじみ思った。
(というわけで1月3日にこれは書かれています)
冒頭男子校の水泳部の練習風景から始まり、主人公は部のエースを追い越す。なぜそんなことができたかというと、付き合っている女の子と「エッチするため」である。さて脱・童貞だと自転車に乗っているところを轢かれ、死んでしまう。
童貞で死にたくなんかねーよという望みを叶えてもらうべく、人の身体に乗り移るんだけど、ちょうど若くてかっこいい「女の子とエッチできそうな」男は見当たらないので、しばらく女子高生の身体に乗り移ることになる。
自分が女の子になったことで、女子との密着などなど童貞からすりゃ大喜びのシチュエーションが続き、ああ、こういうちょいエロな映画ってあるよな〜と観ていたら、乗り移った女の子の親友である中山忍の清純さといいますか、輝きに、主人公と同じようにぼくは恋をしてしまった。
中山忍はおぞましいことに、主人公の生前の水泳部のライバルでヤリチン男に恋をしている! このままでは、大変なことになる! そして、心から女の子を好きになることで、エッチすることばかりに気が急いていた自分に変化が生ずるのだった、で、彼は新たな肉体(萩原聖人である。元の林泰文も今改めて見れば、カワイイやつではあるが)で、出合い直すのであった。
ちょいちょい挟まれるサービスシーン(校舎裏でエッチしようとする学生を覗き見して、しかも女の子が気づかないうちに……なんてシーン、あっけらかんとしててけっこう好み)もありつつ、青春の輝きみたいなものに溢れたすばらしい作品でした。
逆に正月に観てよかった。タイトルで食わず嫌いをしてはいけない、といういい例である。
でも、現代ではこういう話、生まれないんだろうな。昔はたまーに、テレビでも女性の胸がぽろり、とかあったけど、そんなのはもうない。なくてもいいけど、変化していくもんだな、とかなんとか。
あと、なんか当時の男子って、いまどきの子らよりももちろんイモなんだが、趣きがあります。いや、いまの子らのほうがスマートで進化してますけどね。