きたはら邦画

午前0時の旧作日本映画案内

2024-09-01から1ヶ月間の記事一覧

『八月の濡れた砂』(1971・日活)

真夏の湘南を舞台に、やり場のない衝動から暴走する少年達を活写し、暴力とセックスにまみれた退廃的な青春を描いた問題作。日活がロマンポルノ路線に移行する直前の最後の作品。石川セリが歌った主題歌も有名。 (神保町シアターホームページより引用) 監…

『悦楽』(1965・創造社)

山田風太郎の小説「棺の中の悦楽」を映画化した創造社の第1回作品。広告会社に勤める脇坂(中村)のもとに、彼がひそかに想いを寄せていた少女・匠子(加賀)の結婚の知らせが届く。ショックを受ける脇坂の前に、かつて彼が匠子のために犯した殺人を目撃した…

『夕暮まで』(1980・アートセンター)

妻子ある中年作家が、ヴァージンを標榜する女子大生と知りあい、性交渉を伴わない奇妙な不倫関係が始まる──。「夕暮れ族」の流行語を生んだ吉行淳之介のベストセラー小説を映画化。桃井かおりと伊丹十三の主演で話題をふりまいた。 (ラピュタ阿佐ヶ谷ホーム…

『青春残酷物語』(1960・松竹大船)

高校生の真琴(桑野)は、仲間との火遊びのトラブルで大学生の清(川津)に助けられ、恋仲となるが――。松竹ヌーヴェル・ヴァーグの発火点となり、新鋭監督・大島を時代の寵児へと押し上げた衝撃の大傑作。 (神保町シアターホームページより引用) 監督:大島渚 …

『砂の女』(1964・草月会)

砂丘に昆虫採集に来た教師自身が砂に囚われ逃げられなくなる。安部公房の個人主義や近代社会への疑いを、脱出を諦め砂の男に変わっていく教師の存在で表現している。寄生する生物のような砂の恐さと美しさ、肌に汗と砂がまとわりつく岸田今日子の官能、素晴…

『他人の顔』(1966・草月会)

安部公房・武満徹・粟津潔に加え美術に磯崎新を迎え日本のアートが結集。ベルイマン『ペルソナ』やフランジュ『顔のない眼』に並ぶ顔と自己同一性をめぐる物語。病院の造形のカッコよさと看護師の岸田今日子の存在感、顔半分をケロイドで覆われた美少女(入江…

『燃えつきた地図』(1968・草月会)

安部公房と勅使河原の組み合わせによる最後の長編作品。疾走した男を探す探偵が次第に自分自身を見失い都会の迷宮に飲み込まれる。勝新は自ら選んだ作品でくたびれた探偵を好演。壊れかけたような女を演じる市原悦子、失踪人の同僚を演じた渥美清も素晴らし…

『おとし穴』(1962・草月会)

安部公房と初めて組んだ勅使河原宏初長編。炭鉱、貧困、瓜二つの男、白いスーツの殺し屋、見捨てられた集落にひとり残る女、それらを眺めている幽霊。粟津潔によるカッコいいタイトルと前衛的でシュールな映像に加え、武満徹、高橋悠治、一柳慧によるプリペ…