淀川長治が「無限の流動美」と大絶賛し、アメリカ公演でも好評だった安部公房スタジオ最後の演劇『仔象は死んだ』を映像作品として再構成した作品。最小限の言葉しか使われず、体操のようなダンスのような身体表現によって作り上げられた不条理劇。映画らしくカメラが外へ飛び出したりもする。衣装、セット、照明、そして安部自身のシンセによる音楽。前衛芸術が隆盛を誇った時代の貴重な遺産。
(シネマヴェーラ渋谷ホームページより引用)
監督:安部公房
出演:山口果林/条文子/寺田純子/八幡いずみ/平野雅子/塩田映湖/伊藤裕平/岩浅豊明/綾城明
安部公房の舞台。『友達』『幽霊はここにいる』などなど、ストーリー性のあるものでなく、後期、というか安倍スタジオのどんどん言葉がなくなっていくほうへ(?)向かっていった作品を観てみたいとずっと思っていた。本や写真で知っているけれど、とにかくわけわからんらしい(笑)。そして昔演劇をやっていたもんだから、安倍メソッドなるものにも興味があったのでした。
今回シネマヴェーラの特集でやっと観ることができた!
いやたしかに、なんとなくわかる。イメージの展覧会、ってだけあって、さまざまなイメージが現れる。巨大な白布を使ってとか、山口果林さん以外がすごく匿名的だったり(ぼくが俳優の顔と名前一致してないだけなのかも)。うーむ、実はちょっとだけ、海外の演劇祭とかで人気出そう、なんて思ったり。
実はこの上映のあとに、鴻上尚史さんのトークがあったんだけど、そこで、95年の震災とオウム事件以降、観客が不条理とかナンセンスを好まなくなったっていう話がおもしろかった。ちゃんとオチがないと納得しなくなっている?
どんどん世の中は、「わかりやすいもの」「手短に理解できるもの(SNS動画)」へ向かっているのか。
なんか、味気ない。