邦画と銭湯

映画を観て風呂に入るブログ

『みれん』(1953・東京映画)

瀬戸内晴美(寂聴)の短篇連作集『夏の終り』を映画化した文芸作品。映画に先立ち、同年、TBSでドラマ化されている。妻子ある小説家の小杉は愛人の知子と不倫関係を八年も続けている。ある日、知子の前に昔の恋人が現れ、小杉との関係は亀裂を生じはじめる……。

ラピュタ阿佐ヶ谷ホームページより引用)

 

監督:千葉泰樹

出演:池内淳子/仲代達矢/仲谷昇/乙羽信子/西村晃/沢村貞子/岸田今日子/加東大介

そういえば『夏の終り』は満島ひかりで映画になっていました。

にしてものっぴきならない状態、というが濃厚。池内は仲谷の嫁、岸田今日子のことが夢にでてくるし。飲み屋では友人たちに大見栄を切るものの、どうしても気になってしまう。

仲谷は池内と嫁の家を往復している。

そんななか、かつて医者と結婚していたときに出会い、不倫の果て別れた仲代達矢と再会する。昔の輝きに満ちた青年の面影も、生活でくすんでいる。

仲谷を中心にした、池内と妻

池内を中心にした仲谷と仲代

というダブル三角関係状態に。

どんどん追い詰められ、そして仲谷と別れることを決心するわけだが。

最後旅先で、中年男が事故死した、という話を聞いて駆けつける池内。

それは仲谷ではなかった、けれど。

かつて仲谷と一緒に歩いていたとき、仲谷は缶を蹴っていた。

最後、池内も蹴る。

缶を蹴りながら、どうしようもなく忘れらない相手のことをぼんやり考えている。

この「缶蹴り」がすごい。

ああ、海の家での別れもよかった。

そうそう、仲代との出会いの選挙カーの休憩シーンも。

好きな場面がたくさんあって、困った。