邦画と銭湯

映画を観て風呂に入った記録、ほかにも寺社仏閣巡りとか諸々。

『豚と金魚』(1962・東宝)

藤木孝主演の歌謡映画で、永六輔と中村八大コンビによるヒット曲を歌うシーンが売り。だが主役より、売れない作家・上原謙沢村貞子夫婦、宿敵同士の飯田蝶子トニー谷、心配になる露出度の若林映子とシックな草笛光子姉妹の魅力が勝ってしまう。沢村が「キッスで殺せ」を読んでいたり、豚の鳴き声をオナラと間違えたり、クスっと笑えるギャグ満載の快作。

シネマヴェーラ渋谷ホームページより引用)

 

監督:川崎徹広

出演:藤木孝/若林映子/上原謙/飯田蝶子/草笛光子/沢村貞子/トニー谷

 

面白かった!

自称画家で歌手、うさんくさい品を売って生活している、だがどこか憎めない藤木孝の恋模様、そして三軒のボロ家の立ち退きの顛末であるが、とにかく細かいエピソードが楽しい。

梅崎らしき上原謙の編集部での悲哀! 草笛光子といい感じだけど草笛の真意は!?

やたらものを借りたがる子沢山の隣人に、藤木が居候しているおばあちゃんのとっぴさ!

おばあちゃんの大事な金魚を猫が食った、と養豚場に被害請求しにいったら貰ってしまった豚ちゃんもかわいい(最後みんなで食べるってのもなんか生きてるってかんじだ!)。

 

みんな離れ離れになってしまうけれど、そしてそれは人生そのもので普遍なんてないのだけど、過ごした時間は変わらずに、どこかにある。

そんなふうに、思わせる。