邦画と銭湯

映画を観て風呂に入った記録、ほかにも寺社仏閣巡りとか諸々。

2025-01-01から1ヶ月間の記事一覧

『女と海賊』(1959・大映)

江戸時代。残忍な海賊船の頭目は、かつて大阪蔵屋敷の勘定方で、太夫に入れあげて公金横領した男だった。ある日、駆け落ちした男と娘が船に逃げ込んでくる。娘は愛した太夫に瓜二つで…。京マチ子が太夫と娘の二役、長谷川一夫が頭目を演じる。異性への怨念を…

『映画女優 若尾文子』

映画女優 若尾文子【新装版】 作者:四方田 犬彦,斉藤 綾子 みすず書房 Amazon 若尾文子さんってのは不思議で、とにかく芝居があほほど上手い、かわいい、エロス溢れている。そしてめちゃめちゃ人気である。が、大映では世界的スター京マチ子、ミス日本の山本…

『音楽』(1972・ATG)

近親相姦とフロイト的精神分析を扱った三島由紀夫の同名小説の名作を映画化。精神分析医の汐見のもとに若くて美しい麗子が訪れる。音楽が聞こえないと言う麗子だが、実は彼女の抱える問題とは性的快感が得られないことだった。彼女は少女時代に実兄と近親相…

清野恵里子『咲き定まりて 市川雷蔵を旅する』

咲き定まりて 市川雷蔵を旅する (集英社インターナショナル) 作者:清野恵里子 集英社 Amazon 大映映画祭でも市川雷蔵映画祭でも、関連書籍として販売されていたんですが、ちょっと高いかもな〜。ぼくは清野さんまったく存じ上げないので、と思っていたのです…

『学生やくざ』(1974・東映)

大侠客だった祖父を持つ角太郎は一端の男になるため旅に出る。角太郎は舎弟・達夫を従え、祖父の兄弟分・大阪浅田親分を訪ねることになった。だが浅田一家は寂れ、浅田親分の若衆だった秋津の北政会が釜ヶ崎一体の労務者を牛耳っていた。角太郎はある日、洋ラ…

『東京のお転婆娘』(1961・日活)

いろっぽくて万事に抜け目のないチャッカリ屋の美術大学の女学生が、大阪のがめつい商人を相手に大活躍。アイデアと絵筆で、つぶれたバーと画廊を大繁盛に導く、ユーモアとウィットにあふれる明朗喜劇 (Prime Videoより引用) 監督:吉村廉 出演:中原早苗/…

『思いはあなただけ』(1997・ENKプロモーション)

報われぬ恋と知りつつ、私立探偵への愛を貫く青年。切なく募る思いが沸点に達したとき、物語は衝撃のクライマックスを迎える!!試写会で絶賛の嵐を巻き起こした、北沢幸雄監督入魂の傑作!! (FANZAより引用) 監督:北沢幸雄 出演:川瀬陽太/下川おさむ/…

『トイレット部長』(1961・東宝)

国鉄の営繕課長・池部良が各駅のトイレの維持改善にユーモラスかつカッコよく突き進む。池部の持ち込み企画で、オープニングの「トイレの歴史」では演出も担当。トイレ・ギャグも満載で、夫婦の価値観にまで目配りした和製コメディの傑作。課長なのに何故部…

小西康陽責任編集『いま見ているのが夢なら止めろ、止めて写真に撮れ。』

いま見ているのが夢なら止めろ、止めて写真に撮れ。 小西康陽責任編集・大映映画スチール写真集 作者:山田宏一,山田参助,遠藤倫子 DU BOOKS Amazon 大映のスチール写真集。写真集だけどサイズがコンパクトなのがすごくいい。本の作りの最高。 小西さんはその…

『自由学校』(1951 ・松竹)

「自由がほしい」と会社を辞めた佐分利は…。夫をポンポン罵倒した挙句、首根っこを掴んで家から追い出した妻の高峰三枝子が急にモテモテになる展開も愉快。淡島千景がアプレな姪を楽しそうに演じているコメディの傑作であり、戦後自由社会におけるジェンダー…

市川雷蔵『雷蔵、雷蔵を語る』

雷蔵、雷蔵を語る (朝日文庫 い 59-1) 作者:市川 雷蔵 朝日新聞出版 Amazon これマジで復刊して欲しい。とりあえずハードカバーと文庫は古本屋でゲットしたんですが。 にしても文章が素晴らしい。ファンクラブ向けの文章だから、というのもあるんだろうけど…

『どうせ拾った恋だもの』(1958・日活)

捨てきれぬ、諦めきれぬ女ごころのやるせなさ。青い月影に泣き濡れる美しき白衣の乙女!...過去の暗い影に悩み、酷な運命に堪えてひたすら愛する人への思慕に幸福の夢を追う乙女の姿を描いた歌謡哀愁篇 (Prime Videoより引用) 監督:関喜誉仁 出演:安井昌二…

『日本暴行暗黒史 異常者の血』(1967・若松プロダクション)

東京。強姦事件を捜査する刑事は、犯人の男が自分と同郷であり、殺人、強姦、近親相姦・・・といった呪われた同じ血を引き継ぐ人間だと知る。明治、大正、昭和そして現代と時代を越えて描かれる陰惨な黒い血の連鎖の物語が始まる。大ヒットした日本暴行暗黒史シ…

『狩人たちの触覚』(1995・ENKプロモーション)

どうしようもない過去の傷を引き摺ったまま、生き続ける男。その男の前に、彼の過去を知るはずもない男たちや、過去に出会ってSEXをした男たちが次々に現われて、彼を犯していく。男たちから与えられたエクスタシーの果てに、男が見たものは、過去なのか、そ…

『復活』(1950・大映)

トルストイ「復活」の映画化。初心な女中の京マチ子、彼女を強姦する子爵令息の小林桂樹という配役に最初は違和感があるものの、即妊娠して売春婦に堕ちてからの京の演技はさすが。突然改心して求婚してくる小林のナルシズムを見抜いて苦悩する姿は共感を誘…

『近代映画アーカイブズ 甦る!市川雷蔵 』

目次を見ただけで最高なんだが! 市川雷蔵 グラビア◉雷蔵さんの私生活◉雷蔵・勝新太郎 対談 「当時カツ・ライスと呼ばれた二人だった」 ◉懐かしい仲間達 長門裕之さんと 中村賀津雄さんと 長谷川一夫さんと 勝新太郎さんと◉市川雷蔵物語◉雷蔵・大川橋蔵 対談…

『虹の中のレモン』(1968・松竹)

鎌倉にある前田邸は、ここ数年来ひっそり静まりかえっていた。というのは、主人剛造が出かけたままであり、息子健は家出して4年も消息を断っていたからである。そしてこの大邸宅の往人といえば、老僕吉岡とその娘民子、それに彼女の友だちエミの3人だけだっ…

『完本市川雷蔵』

完本市川雷蔵 ワイズ出版 Amazon こちらの豪華本、一昨年購入したんですが在庫残りわずかだったってんでギリギリセーフでゲットだぜ、と。 雷蔵関係の本はわりと出ているんだけど、品切れのパターンが多いので、見つけたら即買っておかないとって感じ。 出演…

『狂走セックス族』(1973・東映京都)

三十一歳でデビューした皆川隆之監督の若い熱情がほとばしるアクション篇。スピードに憑りつかれ暴走行為を繰り返す白井孝史、それを追う白バイ警官・渡瀬恒彦。立場は違えど、ひたむきにバイクに命を焼やす!男たちの大激突! (ラピュタ阿佐ヶ谷ホームページ…

『セックスドキュメント 性倒錯の世界』(1971・東映)

現代にあって個性的に生きるとは何か?街頭で見かける女装の男、男装の女、彼らの一見異様とも思える風俗現象をとらえ、画一化された現代を解明して見る性倒錯の世界とは、果して愉楽の極みなのか、又、果てしなき地獄の様相を示す世界だったのか―。 (Prime…

『赤い縄 果てるまで』(1987・にっかつ撮影所)

女の手首に残る縄の跡を目にしたことから、若く平凡なサラリーマンが縛りにのめり込む究極のラブストーリー。マンションの一室から山の中へ、水野尾信正が撮影した雨の緊縛シーンは石井隆による原作の見開きに負けず劣らず凄絶。 (ラピュタ阿佐ヶ谷ホームペ…

『大阪の女』(1958・大映)

死んだ船越英二の保険金をめぐるブラックコメディにして群集劇。オープンセットの長屋の窓から覗く住人の生活を、クレーン撮影で映していくオープニングが素晴らしい。通夜の席でも金の話しかしない貧乏人たちの中、京マチ子の底抜けの善良さが救い。ラスト…

『市川雷蔵写真集』

写真集市川雷蔵: from KADOKAWA Cinema Collection ワイズ出版 Amazon 昨年末から角川シネマ有楽町で市川雷蔵映画祭をやっている。 そもそもこんなふうに昔の日本映画を観るようになったのは、二年前の大映4K映画祭なので、久々有楽町通いである。 (そして…

『青雲やくざ』(1965・松竹)

ヨット好きの学生・竹脇無我は小牧組の次男。カタギになりたかった兄が縄張り争いで死に、竹脇は組の解散を決める。しかし関組や新興勢力の杉木組がシマを狙い…。竹脇が悪辣な関(内田良平)と杉木を成敗する方法にビックリだが、ラストにはさらにビックリ。…

【映画館】早稲田松竹

やっぱ映画館、しかも二番館(ちょっと前の映画の上映をしていて、2本観れるみたいな)があるといいなとしみじみ思う。 最近はなかなかない。 なんか近所の気軽にあんま深く考えずなんか映画観よっかな、と行ける場所ってのは得難いものだ。配信で観れるけ…

『命美わし』(1951・松竹)

自殺の名所の側に住む笠智衆と杉村春子夫婦。笠は今夜も自殺しようとした桂木洋子を家に連れ帰るが、続けて長男・三國連太郎も淡島千景をつれてきて…。ピンとくる笠に「またですか、お父さん!」と答える杉村が絶妙。自殺という重いテーマを扱いながら笑いあ…

『ふるさとポルノ記 津軽シコシコ節』(1974・日活)

津軽の佐世路村にある天行寺の倅・良徳が修行から帰ってくる。寺の飯炊き女・ルメ、ウグイス嬢・カヨはハンサムな良徳に一目惚れ。だが、良徳は中学校の先生・スワに想いを寄せていた。ある日、カヨが散歩中の良徳を尾行していると、突然雨が降りだし…。 (U…

『団鬼六 少女木馬責め』(1982・日活)

マゾッ気のある女高生・名美が不良女子に暴行を受けた。その時不覚にも、淫らなシミがパンティについてしまい、止めに入った自分に好意を持っている先生に秘密の趣味をさとられてしまった。その日から名美は、彼に毎夜責められる淫夢を見続けうなされ始めた…

『極悪拳法』(1974・東映)

千葉真一、倉田保昭らがリードしていた東映格闘技路線に渡瀬恒彦が参戦。学生時代に空手部で鳴らした渡瀬の剛腕が堪能できる。また、ガッツ石松、沢村忠ら、七〇年代の格闘技レジェンドが多数出演し、朴訥な演技を見せてくるのも楽しみの一つだ。 (ラピュタ…

高峰秀子『高峰秀子と作家たち』

高峰秀子と作家たち 作者:高峰 秀子 河出書房新社 Amazon もちろん才能があるからなのだけれど、つくづく高峰秀子はすごい。 大女優だから、ということももちろんあるのでしょうが、文豪にこんなに愛されちゃって〜! この本は高峰秀子の文士たちとのつきあ…