きたはら邦画

午前0時の旧作日本映画案内

『大森林に向かって立つ』(1961・日活)

南アルプスの谷間で木材輸送を続ける津山木材だったが、利権乗っ取りを狙う大須賀運輸に、人夫を全員引き抜かれてしまった。津山木材の社長娘マキは、伊吹という名の流れ者を雇うが...。汗と血で大森林に挑む男の世界に飛び込んだやくざな男が、悪を倒し真の生き方を見出す豪快アクション

(Prime Videoより引用)

 

監督:野村孝

出演:小林旭/浅丘ルリ子/金子信雄/白木マリ/丹波哲郎/上野山功一/深江章喜/かまやつヒロシ

 

プライムビデオで観ることができるが……劇場で観たい。シネマヴェーラ渋谷でかかっているということで、ふらふらと。

シネマヴェーラ渋谷のチラシは、面白い。とにかく紹介文が魅力的。「うわ〜観なくちゃ」と思わせる。

 

”伊那の山を舞台に、弱小砕石会社を潰そうとする新興企業に小林旭が立ち向かう。編み上げシャツ姿でトラック運転し、飯場で仲間を率い、景気づけに歌う旭がカッコいいアクション・ドラマ。トラックぶつけ合いも迫力満点。深江章喜金子信雄、安部徹と安定の悪役に加え、旭を追ってきた丹波哲郎が良いところをさらう。”

シネマヴェーラ渋谷ホームページより引用)

 

冒頭から最高なのは、街で浅丘ルリ子がならずものたちに仕事が欲しくないかと呼びかける。どたどたとトラックの荷台に乗り込む男たち。さてと運転席に行くと、スーツ姿にサングラスの男が寝転がっている。

小林旭である(笑)。

なんだこいつ、と思いながらも、結局小林旭も雇うことに。配信で気軽に観るのもいいのだけれど、映画館でクスクスと笑い声を聴きながらの鑑賞は格別である。

小林旭がキザなことをやったり暴れたり(酒場での大喧嘩シーンは、ひとつひとつがコミカルで、俳優たちの動きが楽しい)するだけで、笑いが起こる。

一番の笑いは、この謎の男を追ってきた、もっと謎の男、丹波哲郎である。か、かっこいい……。なぜ小林旭がふらりとやってきたのかが明かされる。それは、これまでしてきた裏の仕事(いちおうぼかしておきますね)の仲間が死に、仲間の弟が社長代理をしている砕石会社まで会いにきたんである。ライバル会社の妨害に脅かされ、大ピンチの弟(上野山功一がまた男前である)を陰ながら助ける旭。もちろん最初は「なんなのコイツ!」と思っていたルリ子も惚れてしまうのであった(笑)。

上記のシネマヴェーラの紹介文にあるように、丹波に助けられ、そして旭は……やはり去っていくのでありました。

たまには雄臭い映画もいかがでしょう。日活アクションって、だいたい雄臭いと言われたら、そうかもしれませんが。