きたはら邦画

午前0時の旧作日本映画案内

『若い傾斜』(1959・日活)

リズムを刻むドラムと煽りのショットで始まる西河克己の傑作。働きながら法律を学ぶ川地が収賄事件に巻き込まれる。母親が働く事務所の悪徳弁護士を師と仰ぎ、娘のルリ子と付き合う純真な川地をシニカルに眺めながら、親友を見捨てない赤木圭一郎が魅力的。

シネマヴェーラ渋谷ホームページより引用)

 

監督:西河克己

出演:川地民夫/浅丘ルリ子/清水まゆみ/赤木圭一郎/二本柳寛/信欣三/北林谷栄/柳永二郎/山根寿子

 

 

さて、弁護士志望、正義感の強い川地は、収賄容疑で捕えられた清水まゆみの父に手帳を託される。自分がもっていてはと、母の勤める弁護士に託すが、じつはこの弁護士、中身は超極悪! しかも母とデキてやんの! 

弁護士の娘の浅丘ルリ子は川地を愛しだすし、友達の赤木圭一郎は清水に惚れちゃう。若者たちの恋愛! 親の恋(なのか?)! そして事件の顛末は、とさまざまな問題を抱えながらすすむ物語。

大人になる一歩手前の青春ものとしても素晴らしい。

貧乏人がどれだけ努力しても認めてもらえない、当時の気分だが、そんな部分に胸にぐさりとくる。