きたはら邦画

午前0時の旧作日本映画案内

『キネマの天地』(1986・松竹)

昭和初期の蒲田撮影所を舞台に、映画館の売り子からスター女優への階段を駆け上がる娘とその父との絆、そして活動屋たちの情熱を描いた感動巨篇。

神保町シアターホームページより引用)

 

監督:山田洋次

出演:中井貴一/有森也実/渥美清/倍賞千恵子/すまけい/美保純/笠智衆

 

神保町シアターの企画『映画で辿る 木下恵介山田太一』である。


にしても、そもそも脚本に井上ひさし! 山田太一! 朝間義隆! 監督の山田太一も入っている!

松竹の記念映画なだけあって豪華〜(というか渥美・有森の隣人が倍賞・前田吟て、『寅さん』じゃん。というかセルフパロディー、さすが山田洋次)。

そういや続編(?)を井上ひさしが戯曲書いてました。我が家には『井上ひさし全芝居』(全集ね)があるんだが、未読。

 

さて、映画館で働く有森は見そめられ、松竹の大部屋俳優に。助監督で繊細、というかナイーブな中井貴一となんとなくいい感じに。

しかしすれ違い、中井が捕まってしまう(逃げている大学の先輩の巻き添えに)などなどさまざまな事件、そして有森の出生の秘密、などなどとにかく盛りだくさん。

ラスト、有森の初主演映画を観ながら渥美は……そしてそんなことも知らずに有森は松竹のイベントで歌うのであった。

いや、まじで舐めてました。泣いちゃった。山田洋次に泣かされるのって、なにかひっかかるというか、俺も情緒に流されちゃうな〜とか思っちゃうとこもあるわけですが、そんなことおかまいなしに、名作でした。

映画の現場の男たちの熱さも最高。

しょうもない映画を作っていることに対する屈折を中井も俳優たちも感じている、しかし、観客は少ない賃金の中で娯楽を求めに映画を観にやってくる。

お客さんたちの想い。

く〜っ。

 

でも一番面白かったのは、小津安二郎みたいな役(笑)の岸辺一徳。我々の想像する小津的現場でした。

 

 

 

『肉屋と義母 うばう!』(2005・ネクストワン)

80年代にロマンポルノで活躍した三東ルシア。一時期芸能界を引退していたが、2003年緊縛写真集を出版し復帰。本作は、復帰後唯一の映画出演作。大学講師役の三東ルシアが逞しい肉屋の男に惹かれていく様が官能的に描かれる。

ラピュタ阿佐ヶ谷ホームページより引用)

 

監督:松岡邦彦
出演:三東ルシア/しのざきさとみ/青山えりな/徳原晋一/那波隆史

 

さて、こちら成人映画だししかも2005年の作品なのですが、ラピュタ阿佐ヶ谷で観ましたので、書かせていただきます! というか、これがなかなか。

大学教授である主人公は、夫と前妻の息子と三人暮らし。息子がガールフレンドを連れてきて、なんとなく家庭はうまくいっている、のだが!

夫との性生活は淡白なものであった。

そんなとき、肉屋の軒先で雨宿りをしたとき、奥で肉屋の年増女と男が濃厚な、、、を目撃!

性への渇望から、主人公は再び肉屋を訪れ、そして……。

この肉屋の男がまたアグレッシブで「俺は満タンだから」などとめくるめく、、、。

まあお察しください。

嫉妬した肉屋の女房が、義理の息子をレイプしたり、もうこんな関係は、と断ち切るはずが、大学にまでやってきた肉屋、そして教室で、、、。

ラストまさかの妊婦姿で肉屋から出てくる主人公。

彼女の望んでいたものは、なるほど。

『義母の長襦袢 淫らな匂い』(1996・プロダクション鷹)

ノーパン喫茶で一世を風靡し、1984年ロマンポルノ『イヴちゃんの花びら』でスクリーンデビューしたイヴ(神代弓子)は、エクセスでも15本の最多主演数を誇る。本作では、珠瑠美監督とのコンビで、若きイヴの姿が堪能できる。

(ラピュタ阿佐ヶ谷ホームページより引用)

 

監督:珠瑠美
出演:神代弓子/青山あずさ/林由美香/加藤健二/竹田雅則

 

ラピュタ阿佐ヶ谷のレイトショー、『庶民の夢と欲望に寄り添った、エクセスフィルム35年の歩み』である。

 

エクセスフィルムの歴史は、日活ロマンポルノの終焉から始まった。当初は、成人映画の配給チェーンを引き継ぐ子会社としてスタートし、日活の流れを汲んだドラマ重視の映画を作るが、程なく、勢いを増すアダルトビデオへの対抗策として、映画の最初から最後まで、とにかく“カラミ”で押し通すという制作方針を打ち出す。この流れの中で、新田栄や浜野佐知、北沢幸雄、坂本太といったベテラン監督たちが、作品を乱打していった。 AVの人気女優をスクリーンに登場させたのもエクセスが先駆けであった。最盛期には、ピンク映画の出演料としては、当時破格の200万〜300万円のギャラで人気AV女優をキャスティングし観客を魅了した。エクセス映画のもう一つの特徴として上げられるのが女優の“初脱ぎ”重視である。各制作プロダクションには新人女優の発掘が求められ、AV女優であってもピンク映画には初出演の女優が主役を飾った。この事は、後に実力のある主演女優を育てられなかったとの反省も生むが、実に多彩な女優がエクセス映画の主演を飾った。今回は、エクセス映画の中でも女優が輝きを放ち、魅力的な作品をピックアップした。庶民のささやかな夢と欲望に寄り添った映画群がここにある。

 

ラピュタ阿佐ヶ谷ホームページより引用)

 

うーむ、旧作邦画ブログなわけだが、もろ成人、ロマンポルノのロマンの部分抜けちゃってるし、紹介すべきかいなか、とちょっと考えたんだけど、面白かったんでやっぱ紹介します。でも画像はありません!

 

こちら改題は『義母昇天 家庭内SEXとは?』である。なんかすげえ。直球すぎだ。タイトル通り、ラストは義理の母と息子の…である。

制欲旺盛で何度も再婚しているエロ夫、そして結婚してしまった妻、そして家に再び戻ってきた義理の息子の三人が中心なんだが、とにかくこの人たち、大変。大変、ですますのもなんだけど。

お手伝いさん(林由美香さんがかわいい!)、そして元嫁とそのナントカフレンドなどなど、様々な人々がこの短い時間内で、くんずほぐれずしております。

逆にいま( 2024年)に観ると、面白すぎだろ、って感じである。いやーすごい。息つく暇なく濡れ場!

最後、夫が帰らない夜に義母と息子が、となるんだけど、まあ、息子が悶々としているのはわかるけど、美しい義理の母にそこまで執着するかなあ、とかもちょっと思ったり。

美しすぎるから、というか、夫も妻の痴態を写真に撮ろうとするし(しかし夫、元嫁と関係を持ってたりするんだが)、神代さんが美しすぎるから、ということである。

すべてのエロってそういうものかもなあ、とぼんやり思った。

 

ほら、団鬼六のSM小説って、男が責めれば責めるほど、女が美しくなる、という倒錯だったりするわけですからね。

とりあえず、このラピュタの企画を今後もおっかけて、考えてみようと思う。

 

にしても、ピンク映画って、ピンク映画館で観てみたいと思って入ると、邪魔が入ってじっくり観れなかったりするんですよね。前に京都で一度入った時に、ちょっかい出されまくって、イラついた。(詳細はここではやめとくけど)

でもやっぱせっかくこんなブログやってるんだし、ピンク映画館レポートもいずれしておきたいところ。

 

(ちょっとばかり毎日更新が難しくなりまして、今後は週3ペース、調子に乗ったら多く書いていきます!)

 

 

『自殺を売った男』(1958・松竹)

宝石店の社長秘書と情婦は、ヤク中で自殺常習犯のチンピラ・田村高廣と売り上げを横領した部下・片山明彦を使って死体入れ替えのトリックを思いつくが…。「自殺を売ってくれないか」で始まる宝石横領完全犯罪の顛末。気の弱い二人の男が事件の鍵を握る。大下宇陀児原作、高橋治脚本のクライム・サスペンス。

シネマヴェーラ渋谷ホームページより引用)

 

監督:堀内真直

出演:田村高廣/高千穂ひづる/高野真二/泉京子/片山明彦/渡辺文雄/有沢正子/諸角啓二郎/十朱久雄/永井達郎/須賀不二男

とにかくクール、なのにとぼけている。なんか悪いやつの悪さがなぜかクスリと笑ってしまう。

そもそも主人公がヤク中である。なんじゃそらって話である。

そして金をやるから一年死んだことにしておいてくれ、と持ちかけられる(ちなみにオープニングが呼び止められて『自殺を売ってくれませんか?」「えっ」って感じかっこいい)。

金がない、付き合った女に店を持たせてやりたいと、承諾してしまうんだが、そもそもが宝石店で働いていた二人が、「部下を脅して宝石を盗ませ、そいつを殺す。しかし実はべつのやつが死んだことにして、警察にはまだ部下が生きていて逃げていると思わせる」というなんだか非常にめんどくさい(笑)事件なのである。

裏切りあり、愛あり、とくに後半のピンチの数々は手に汗握る。

しかしラストはやはりヤク中、身体から薬を抜くために縛られてる(笑)。

 

内容はハードなのに、なぜか愛おしい。

 

 

『濹東綺譚』(1960・東京映画)

東京の向島にある私娼窟・玉の井を舞台に、一途な娼婦(山本)と妻子ある中年男との儚い恋を描いた文芸作品。今も根強い人気を誇る荷風の代表作の映画化。艶やかな魅力の山本が演じた素朴で愛らしいヒロインは、見る者を虜にする。

神保町シアターホームページより引用)

 

監督:豊田四郎

出演:山本富士子/芥川比呂志/新珠三千代/乙羽信子/織田政雄/淡路恵子

 

小説のときも、いいな、と思ったのが二人の出会いのシーンで、雨が降って男の傘にひょいと女が入る。

そしてそこから物語が始まる。

男には家族がいて(しかし夫婦仲は非常〜に面倒な話になっている。金も絡んでいる)、女は家族のために身体を売っている。

そんな二人の関わりは、なぜか清らかだ。どろどろしてるはずなのにね。

実は女の稼いだ金は実家に渡っていなかったこと、そして病いが、男の方も妻との対決があったりと、どうしたって二人一緒になることはできない悲しみ。

にしても新しい娼婦たち(岸田今日子がなかなかどうして!)のある意味風情のなさからも表れているが、時代はどんどん変わっていくのであった。

神保町シアターで観たとき、平日だってのに満員寸前。山本富士子人気アンド作品が配信されてなくてレアこともあるんでしょう。

観ておいてよかった。

 

 

『背くらべ』( 1962・松竹)

女手ひとつで二人の息子を育てる乙羽信子。兄の川津は弟をどうしても東京の大学に行かせたいが…。工場経営者の叔父に呼ばれて上京した川津は、ストライキで叔父と対決する労働者達を見る。教育格差、地方と都会、母子家庭と貧困、労働者と資本家の問題は今こそリアル。木下恵介企画、山田太一脚本による秀作。いたたまれず帰ってきた川津と常田富士男の友情に泣く。

シネマヴェーラ渋谷ホームページより引用)

 

監督:大槻義一

出演:川津祐介/島かおり/石川竜二/田中晋二/乙羽信子/常田富士男/山崎猛

そういや2024年2月のシネマヴェーラ渋谷は、『日本の映画音楽家伊福部昭・木下忠司』でありました。

にしても、山田太一である。セリフの一つ一つが最高だったのだ。ほんとは弟でなく、自分が東京にいきたいお兄ちゃんが、親戚の会社に勤めることになるも、ストの真っ最中。

労働者たちと立ち向かうことになり、逃げ出してしまう。

あるとき敵対した一人が家に訊ねてくる。そのときの「きみはいい人だと思う」という言葉に、しびれる。

山田太一はすごい。

 

にしても、これは「俺のかあちゃん最高」映画なのだが、兄弟愛も最高にせつなく描かれている。

冒頭、隠れて弟がバイトをしているのを見つけ、街を兄弟が自転車でダッシュするシーン。

映画のロケ(戦国時代! の合戦)でエキストラのアルバイトをしているシーンも楽しい。

 

母ちゃん最高で、兄ちゃん最高映画なのだ。

『永遠の人』(1961・松竹)

一人の女の数十年にわたる愛憎を描いた大河メロドラマ。夫・仲代への恨みを決して忘れない高峰秀子の鬼気迫る演技に圧倒される傑作。フラメンコの弾き語りという意表を突く木下忠司の音楽とともに、木下恵介特有の過剰なエモーションが阿蘇の大地に響きわたる!

シネマヴェーラ渋谷ホームページより引用)

 

監督:木下恵介

出演:高峰秀子/佐田啓二/仲代達矢/石浜朗/乙羽信子/田村正和/藤由紀子/加藤嘉

いやー、面白かった。マジで大河!

佐田啓二が戦地から帰ってくるのを待つ可憐な高峰。

そんなとき地主の息子・仲代が足を負傷して帰ってくる。そして仲代は、高峰を……。

佐田が帰ってきても、高峰は会おうとしない。無理やり会い、一緒に逃げようとするも、約束の場所に佐田はこず、去っていってしまう。

高峰は仲代を結婚することに。あの襲われた時にできた長男を高峰は愛せず、再び戦争に行ってしまった佐田の嫁・乙羽がやってくる。

 

と前半だけでもえらいこっちゃなのに、後半は長男の自殺、高峰の娘と佐田の息子が駆け落ち、次男はアカとなってしまい、と怒涛の展開。

 

ラスト、残りわずかな命となった佐田の元に、子供たちが孫を連れてやってくる。

最後の高峰と仲代の対決。夫婦は全てを乗り越えることができるのか?

ラスト、びっこで歩いていく仲代の姿、泣ける。

 

畦道を村の人々が長男を探すのに駆け回るシーンがすごい。とにかく映像のひとつひとつがキレッキレ。

 

『風の中の瞳』(1959・松竹)

赴任早々から遅刻した中学教師の田村高廣と3年生達の1年間。進学高狙いの子も、修学旅行の費用がない子もいる中、事故が起こり…。学級会でハキハキ手を挙げ、「一生、友達だ」と誓い、山に行けば「ヤッホー」と叫ぶ生徒たちの良い子ぶりに少々ビビるが、心に抱えきれない悩みを持ちながら成長し巣立っていく姿には感動するしかない。

シネマヴェーラ渋谷ホームページより引用)

 

監督:川頭義郎

出演:田村高廣/有沢正子/平山芙美子/石川竜二/富永ユキ/坂井重男/桜むつ子/北竜二/奈良真養/永田靖

いまは懐かし学研の「中三コース」連載小説が原作である。ちなみに僕が中学生のころにはあったようななかったような。旺文社の「中○時代」もあったかな。なんか「高校合格」って高校受験雑誌はあったような。

そういえばいまって「螢雪時代」(大学受験雑誌)ってあるの? もうないのか?

学年雑誌って、やっぱあったほうがいいよな〜。楽しいじゃん、見返すの。

さて、健全な学生向けの小説だからか、めちゃほがらか。いや、俺もこんな先生に教わりたかった(笑)。

山猿先生と生徒たちにあだ名つけられてしまう、生徒に人気な田村。

生徒たちは、高校受験、受験できない者、友情に恋に、修学旅行に山登り(そして大変なことに!)と一年をめいっぱい楽しんでおります。

ラスト、高校に行かず就職することになった少年も、地道な努力実り、職場から定時制に通わせてもらえることに。

高校を落ちて自殺をしようとしても、ちゃんと助けがある。

先生がピンチなときは生徒たちが押しかける。

なんとまあ、いい話。

同時期にやってる映画たちと並べたら、こっちのほうが異常である。

でもなんか、この非現実的なくらい爽やかな世界、羨ましい。

もうこの季節も、そしてこんな人たちも、現代にはいないのだ。いるかもしんないけど、こんな「場」にいることはないんだろうな。

『十七才の逆襲 暴力をぶっ潰せ』( 1960・第二東映東京)

死刑囚の息子で孤児院育ちの「ジェットのサブ」は十三年前に仕組まれた恐るべき暗黒街の罠を発見。単身悪に立ち向かう──。主人公と同じ十七歳の松方弘樹が主演デビュー。新鮮な魅力をスクリーンいっぱいに叩きつけた。

ラピュタ阿佐ヶ谷ホームページより引用)

 

監督:日高繁明

出演:松方弘樹/北原しげみ/波島進/梶すみ子/菅井一郎/松本克平/佐々木孝丸/小林重四郎/本郷秀雄

 

いや〜!

松方弘樹って、松方弘樹って!

 

かわいいな(笑)。

 

かなり素直な芝居で、若さ炸裂! ってかんじだ。

姉と二人暮らしのバイク乗り松方は、クリーニング屋の兄貴のかっこよさに弟子入り志願、その妹と恋をするのだが、

そこに姉の勤めるバーでの麻薬騒動がからみ、兄貴と姉さんができちゃうし、組織の本当の悪は!? という展開。

 

もう一回言っとくけど、かわいいな(笑)。

これが後々、芝居っけたっぷりの俳優になるのかあ。

ラピュタ阿佐ヶ谷で観たんだけれど、松方弘樹のある意味棒読み芝居に笑いの声。

みんな謎に保護者みたいな目線になっているのが新鮮でした。

 

なんかケンカのシーンもまるで振り付けみたいな感じなんだけど(笑)、それもまた、なんかいい。

 

 

 

『裸の太陽』(1958・東映東京)

ある田舎町の機関区。カマ焚きの青年・江原真二郎女工丘さとみというカップルを中心に働く若人たちの力強い息吹を描いた真夏の二日間の物語。家城巳代治監督のきめ細やかな生活描写が光る、青春映画の名篇。

ラピュタ阿佐ヶ谷ホームページより引用)

 

監督:家城巳代治

出演:江原真二郎/丘さとみ/中原ひとみ/仲代達矢/星美智子/高原駿雄/山形勲

ラピュタ阿佐ヶ谷で2月に開催されたのはこちら。

OIZUMI 東映現代劇の潮流2024

太秦東映京都撮影所が時代劇を次々と送りだす一方、主に現代劇を手がけた大泉の東映東京撮影所。良質なヒューマンドラマに洒脱なコメディ、スタイリッシュなサスペンスや暗黒街活劇、歌謡映画など。
ご好評をいただいた2015年の「OIZUMI 東映現代劇の潮流」、2016年の「OIZUMI 東映現代劇の潮流II」に続き、第3弾となる今回は長らく上映機会の途絶えていたレア作が多数。職人技がキラリと光る、多種多様な東映東京作品をお楽しみください。

ラピュタ阿佐ヶ谷ホームページより引用)

 

機関車のカマ焚きの江原は彼女と一緒に結婚資金十万円を目標に貯金している。明日は海にいく約束をしていて、水着を買いに行くところ。

そんなとき、仲代達矢から金を貸してくれと言われる。

せっかく貯めた貯金を貸してやり、彼女の方は機嫌が悪い。彼女だって妹から貸してくれといわれていたけれど拒否していたのだ。

街にでて、険悪ムードであったけれど、安売りの水着を手に入れ、ちょっとキスなんてしちゃっていい感じ。

しかし、会社から仲代の代わりに翌日カマ焚きをしてくれといわれてしまう。

あわや事故、というピンチを乗り越え、機関士のお子さんも無事に産まれ、仲代の借金の理由は実は好きだった女性の旦那の手術代のためだったと知る。

愉快な仕事仲間たち、素晴らしい女性、そして若さ。

すべてがきらきらしている。

最後、海に行けなかったからと、夜のプールに忍び込むシーンが好きだ。

なにも損なわない。

ぜんぶ、ある。