きたはら邦画

午前0時の旧作日本映画案内

『風の中の瞳』(1959・松竹)

赴任早々から遅刻した中学教師の田村高廣と3年生達の1年間。進学高狙いの子も、修学旅行の費用がない子もいる中、事故が起こり…。学級会でハキハキ手を挙げ、「一生、友達だ」と誓い、山に行けば「ヤッホー」と叫ぶ生徒たちの良い子ぶりに少々ビビるが、心に抱えきれない悩みを持ちながら成長し巣立っていく姿には感動するしかない。

シネマヴェーラ渋谷ホームページより引用)

 

監督:川頭義郎

出演:田村高廣/有沢正子/平山芙美子/石川竜二/富永ユキ/坂井重男/桜むつ子/北竜二/奈良真養/永田靖

いまは懐かし学研の「中三コース」連載小説が原作である。ちなみに僕が中学生のころにはあったようななかったような。旺文社の「中○時代」もあったかな。なんか「高校合格」って高校受験雑誌はあったような。

そういえばいまって「螢雪時代」(大学受験雑誌)ってあるの? もうないのか?

学年雑誌って、やっぱあったほうがいいよな〜。楽しいじゃん、見返すの。

さて、健全な学生向けの小説だからか、めちゃほがらか。いや、俺もこんな先生に教わりたかった(笑)。

山猿先生と生徒たちにあだ名つけられてしまう、生徒に人気な田村。

生徒たちは、高校受験、受験できない者、友情に恋に、修学旅行に山登り(そして大変なことに!)と一年をめいっぱい楽しんでおります。

ラスト、高校に行かず就職することになった少年も、地道な努力実り、職場から定時制に通わせてもらえることに。

高校を落ちて自殺をしようとしても、ちゃんと助けがある。

先生がピンチなときは生徒たちが押しかける。

なんとまあ、いい話。

同時期にやってる映画たちと並べたら、こっちのほうが異常である。

でもなんか、この非現実的なくらい爽やかな世界、羨ましい。

もうこの季節も、そしてこんな人たちも、現代にはいないのだ。いるかもしんないけど、こんな「場」にいることはないんだろうな。