東京の向島にある私娼窟・玉の井を舞台に、一途な娼婦(山本)と妻子ある中年男との儚い恋を描いた文芸作品。今も根強い人気を誇る荷風の代表作の映画化。艶やかな魅力の山本が演じた素朴で愛らしいヒロインは、見る者を虜にする。
(神保町シアターホームページより引用)
監督:豊田四郎
出演:山本富士子/芥川比呂志/新珠三千代/乙羽信子/織田政雄/淡路恵子
小説のときも、いいな、と思ったのが二人の出会いのシーンで、雨が降って男の傘にひょいと女が入る。
そしてそこから物語が始まる。
男には家族がいて(しかし夫婦仲は非常〜に面倒な話になっている。金も絡んでいる)、女は家族のために身体を売っている。
そんな二人の関わりは、なぜか清らかだ。どろどろしてるはずなのにね。
実は女の稼いだ金は実家に渡っていなかったこと、そして病いが、男の方も妻との対決があったりと、どうしたって二人一緒になることはできない悲しみ。
にしても新しい娼婦たち(岸田今日子がなかなかどうして!)のある意味風情のなさからも表れているが、時代はどんどん変わっていくのであった。
神保町シアターで観たとき、平日だってのに満員寸前。山本富士子人気アンド作品が配信されてなくてレアこともあるんでしょう。
観ておいてよかった。