邦画と銭湯

映画を観て風呂に入った記録、ほかにも寺社仏閣巡りとか諸々。

『おとうと』(1960・大映)

作家の父と、後妻というコンプレックスを抱える継母との間で愛情を与えられずに不良化する弟と、そんな弟をかばい、愛情を注ぐ勝気な姉の美しくも哀しい姉弟愛を描いた傑作。幸田文の自伝的小説を原作とする水木洋子の名脚本を市川崑が映画化し、市川監督初のキネマ旬報ベストテン第1位を獲得した。

(Prime Videoより引用)

 

監督:市川崑

出演:岸惠子/川口浩/田中絹代/森雅之

ああ困った。傘をささず登校する川口、そしてそれを追いかける岸惠子。弟はひねくれていてしょげている。なんだかなにもかもが悲しい。ぼんやりとした。

作家の父、継母の四人暮らし。

悪さばかりする弟、そしてきっぷのいい姉(万引き疑惑をかけられたシーンよ!)。弟は減らず口ばかり叩き、姉と喧嘩するが、なんやかや姉のことをしたっている。女も知らない、世の中のこともわかっちゃいない、弟。

すべての兄弟のための映画だ。

最後、弟は死ぬ。無情にも。姉はずっと、弟の世話ばかりしていた。