きたはら邦画

午前0時の旧作日本映画案内

『女医の愛欲日記』(1973・東映京都)

もはや伝説、まぎれもなく「作家」の映画がここに。大島渚監督作品『絞死刑』の脚本を手がけた鬼才・深尾道典が待望のデビューを果たす。新橋第一ホテル女医殺人事件を起点に白石奈緒美が放つ出張不倫の泥と沼、500万ポルノとは思えぬキャストが勢ぞろいの異常怪作!

ラピュタ阿佐ヶ谷ホームページより引用)

 

監督:深尾道
出演:白石奈緒美/佐藤慶/菅貫太郎/桜マミ/新田章/北川俊夫/市原悦子/小松方正/戸浦六宏/渡辺文雄

 

ラピュタ阿佐ヶ谷のレイトショー『東映ニューポルノのDeepな世界 Returns』から。

 

 

いや、すごかった。なんで? の連続といいますか。

なんで全裸で馬乗ってんの(冒頭)、とか、あのヤギを探す家族(市原悦子さんが!)はなんの暗喩なの? とか、そもそもラストが、え、どういうこと? ズブリとやっちゃってんのはあれはどういう意味が(笑)とか。

 

市長を旦那に持つ裕福な女医・白石は京都へ集まりにいくたびに男を買っていた。いつも違う男を、というはずが、やってきたのは前回に買った男(佐藤慶!)。はじめは拒否していたが結局めくるめくというかなんというか。

佐藤と近親相関的関係の妹、ポン引き、白石を狙うエロ医師などなどが絡むのだが……、とにかく素晴らしい。以前ラピュタで上映しようとした時に監督が拒否、昨年お亡くなりになったことで封印解除となった今作。

たしかに大島渚感!

真っ黄色の壁、ヤギ殺し、薔薇を食う、一人の女の性への渇望、というか欲望。何不自由ないのになぜ、という人間の不思議。そしてまともでない(現代から見たらまあわりと普通かもなんだけど)セックス!

 

ソフト化配信化はしなさそう。また観ることができるのだろうか。中毒性半端ない。