きたはら邦画

午前0時の旧作日本映画案内

『HEAVEN-6-BOX』(1995・高知県立美術館)

天国からの光が降り注ぐ街、高知。10分×6セクション(箱)という厳密な構造のもと、JR旭駅前をはじめとした高知の風景や人々の営みの断片が、神秘的かつノイジーに交錯する。高知県美術館製作による大木裕之の代表作の1本。第46回ベルリン国際映画祭フォーラム部門ネットパック賞受賞
製作・所蔵:高知県立美術館

イメージフォーラムホームページより引用)

 

監督:大木裕之

渋谷のイメージフォーラムでは、大木裕之の特集上映をしておりました。

1980年代から映画制作を開始、初期には無編集の日記映画スタイルが観客に衝撃を与え、ベルリン国際映画祭で絶賛されるなど、「映画作家」として表現活動を開始した大木裕之はその後、現在に至るまで、ライブ上映、パフォーマンス、ドローイングなど、表現を拡張させ、映画や美術の垣根を越えて常に刺激的な存在として活躍している。
イメージフォーラム・フェスティバル1990で審査員特別賞を受賞し、国際的に注目されるきっかけとなった『遊泳禁止』などの初期作品から最新作までを一挙上映。大木裕之の身体的なカメラが捉えた光、人物、風景の美しさ、そして虚実を交錯させ、呼吸するかのように巧みに編集された時間の流れをぜひスクリーンに没入して体験してほしい。

 

さて、上映後に大木監督もおっしゃっていましたが、映画なのかアートなのか、それはもう観た人に委ねるしかないのでしょうが、ぼくはこれは、すごい上等な「映画」だと思いました。

まるで死んだ人、もしくは神様が見ているんじゃないか、という映像。そして少年たちの異様な色気(いや普通の男の子なんですよ、マジでそこらへんにいる)。

ラストのふんどし? の大木監督(若い! そして今年還暦おめでとうございます)のかっこよさよ。

ふと、どきりとさせられる。そして、想像するより他ないけれど確実に人の営み、物語はある。

美しすぎて、ときどき動揺した。