きたはら邦画

午前0時の旧作日本映画案内

『乙女ごころ三人姉妹』(1935・P.C.L)

浅草の歓楽街を舞台に、貧しさから母仕込みの門付芸で生計を立てる姉妹の儚い青春を描く。成瀬初のトーキー作品で、浅草寺ロケなど映し出される街の活気も感動的。

神保町シアターホームページより引用)

 

監督:成瀬巳喜男

出演:堤真佐子/梅園龍子/細川ちか子/滝沢修/大川平八郎/林千歳

 

川端康成の原作。三姉妹の長女は男と出ていってしまった。三女は好きな男がいる。そして次女は、流しで三味線をひいている。気性の激しい母にいびられる娘たちとともに、次女は浅草の夜で歌っていた。

いなくなった長女との再会。どうやら男は病気らしい。そしてごろつきたちは、三女の彼氏から金をゆすろうとしていた。長女はそんなことを知らずに男を連れていき……向いでその様子を見つけた次女は部屋へ駆けこみ傷を追ってしまう。

長女の去っていく上野へ、痛みを抱えながら向かう次女。なにもなかったかのように見送って。

女たちの、生きる悲しみ。

 

神保町シアターでは『東京活写』。東京を舞台にした作品を集めている。

なんだか、泣ける。生まれてもいない東京なのに懐かしい。