きたはら邦画

午前0時の旧作日本映画案内

『ピンクのカーテン3』(1983・日活)

兄の悟には恋人ができた、しかし、依然として中年の妻子あるダンディ・三田村とただれた関係に没入している妹・野理子が気になる。蒲団にもぐりこんできて、寝息をたてて熟睡している妹、その成熟した女の匂いに触発されて自慰する兄。果して、近親相姦は神への冒涜なのであろうか。前二作以上の迫力と繊細さで、兄妹の深い絆と禁断の愛を描いた、ジョージ秋山原作のロマンポルノ「ピンクのカーテン」シリーズ第3弾!

(Prime Videoより引用)

 

監督:上垣保朗

出演:美保純/萩尾なおみ/阿部雅彦

 

三部作をずっと観ていると、なんだかもうこの人たち、知り合いみたいに思えてくる。

さて、結局美保純、エロオヤジとの交際続行中。そしてオヤジはついに離婚調停に。え、もしかして美保純、結局あいつと結婚すんの?

そんななかお兄ちゃんもいい感じの彼女ができている。第一作のころとは打って変わって、どうやらエッチもちょっとうまくなってきたみたい。

そんななか、直子ちゃんはトルコ風呂に、そして近親相姦関係のヤクザの兄貴から逃げているらしい。

オヤジとの関係も、新しい彼女との関係もうまくいかない二人。帰るとなんと、直子ちゃんが二人の部屋で自殺未遂!?

病院に向かうとそこにはヤクザの兄貴が。どう考えたってダメな関係だけれど、直子たちにとって、もっとも美しい「愛の姿」であった。

帰宅すると窓は開けはなたれ、めちゃくちゃになっている部屋。

美保純たちがなんとかかんとかぎりぎり保ってきた、麗しい兄妹の巣は無惨なものに。

窓から見えているビルの景色は赤焼けている。

もう、この夢の城は崩れてしまったのだ。

二人は抱き合うしかない。

 

ラストいきなりの文学的展開(といっていいのか?)。青春の終わり、そして切なくも美しかった時代の終わりを予感させる、傑作でした。