きたはら邦画

午前0時の旧作日本映画案内

『歌え若人達』(1963・松竹大船)

学生寮で暮らす青年達のままならない日常――。山田が自身の経験をもとに描き上げた苦々しい青春ドラマを、師匠の木下が軽やかな喜劇調で映画化。

(神保町シアターホームページより引用)

 

監督:木下恵介

出演:松川勉/三上真一郎/津川雅彦/山本圭/川津祐介/倍賞千恵子/岩下志麻

 

いやーめちゃめちゃ面白かった。

大学生四人のさまざまな想い、なんだか絶望している松川、チャラい川津、実家の期待に押しつぶされそうな三上、そしてウザい山本(笑)。

 

松川がビルのガラス拭きのバイトをしているとき、雑誌の表紙にスカウトされ、そのままテレビドラマの主役に抜擢!

なんだかわけのわからぬまま人生がひらけていく松川。川津のほうはわりと裕福で順風満帆だったはずなのに、家族が破産・そしてガールフレンド達には振られてしまい。

ラスト、友人の成功を素直に祝える成長と、生きることの厳しさを予感しながらも笑顔の一同。絶品の青春映画だった。

 

にしても木下恵介のユーモア(学生寮でやたらドアにぶつかったり、松川の掲載された週刊誌がぞんざいな扱いを受けてたり)、山田太一のセリフのキレと、構成のうまさ(悩むやつは高いところからものを落としたがる! 最高!)。

 

なんか、いいな、生きてるってとか思っちゃったり。これってなかなかすごいことじゃないか? どう思わせるなんて。

 

そうそう、野心ある女優役の岩下志麻さん、かわいかったです! 松川勉の自然? 棒読み? 具合とあいまって。

 

Youtubeではレンタルされてるみたい。ぜひ!

 

www.youtube.com