きたはら邦画

午前0時の旧作日本映画案内

『恋狂い』(1971・日活)

長い航海を終え久々に帰宅した夫。だが待ちわびているはずの新妻の姿はなく、行方がわからなくなっていた──。加藤彰監督の鮮烈なロマンポルノ第一作で、脚本小早川純も加藤の変名。彷徨うヒロインにぴったりな浅川マキの歌。

ラピュタ阿佐ヶ谷ホームページより引用)

 

監督:加藤彰
出演:白川和子/大泉隆二/葵三津子/左京未知子/溝口拳/久遠利三/滝左太郎/青木富夫/織田俊彦

 

船の仕事を終え、男が考えるのは妻のこと。

それはもちろん妻も同じだった。

帰宅しても妻の姿はない、いくら探しても、どこにもいない。

そして妻は、帰らぬ夫を待ち焦がれ、別の肉体労働者の男と。自分の身体を鎮めるために、男たちに身を預けるのであった。

では妻はいったいどこへ?

そう、夫への想い、そして争うことのできない性欲に、日本から出ていくことに。夫に会うために……。

妻が行った場所は、観念と幻想の世界なのではないか。

見つからなくても、見つかったとしても地獄。夫は妻を探す旅に出る。

性愛とポルノの名を騙った、一流の幻想ものに思う。