きたはら邦画

午前0時の旧作日本映画案内

『少女』(1961・日活)

気が強くって純情で、夢がいっぱいの十七歳。都会の隅にそっと咲いたとても小さな愛の蕾...。田園の故郷から上京した、人生に夢と希望を託す多感な少女が、都会の汚濁にもまれながら、強く成長して行く姿を明るいタッチで綴るホームドラマ

(Prime Videoより引用)

 

監督:堀池清

出演:川地民夫/笹森礼子/殿山泰司

少女は小説家の弟子になりたいと、親戚を頼りに東京に向かう。小説家になるにはまず「生きることだよ」とやんわり先生に断られ、ひとまず働くことに。

他人を踏み台にしようとする人々、いじめ、なかなかうまくいかず職を転々としてしまう。田舎からの電報で、戻ってみると、やっぱり地元の居心地はよい。そして親戚の長男もやってきて……。

親戚一家の朗らかさとは対照的に、東京のひとびとはどうもぴりぴりしていて、人情がないように描かれている。そこで主人公・笹森礼子のさまざまな感情を見ることができる。

トランペット吹きを目指している長男・川地民夫がとてもいい。とにかくいいやつ。まあ「キャバレーで勤めたい」という笹森を紹介してやるのはどうかな〜とは思うが。

最後、さりげない愛の確認がのどかななかで行われる。

結局はUターンなわけだけど、なんだか希望に溢れていてとてもいい。

生まれも育ちも東京者としては、田舎があるってのはなんか羨ましいような(とか話すと「そんなにいいもんじゃない」と人に言われるけど)。