きたはら邦画

午前0時の旧作日本映画案内

『爛』(1962・大映)

増子は浅井の妻柳子より妻の座を奪ったが姪の栄子の出現に狙われる身となった、妻の座を肉体で奪いあう爛る様な斗いを描いた文芸大作

(Prime Videoより引用)

 

監督:増村保造

出演:若尾文子/田宮二郎/水谷良重

 

 

Prime VideoのシネマコレクションbyKADOKAWAは、「ここ最近全然新しい(といっても大映ですが)配信ないな〜」と思ってると急にぶちこんでくる。ありがたいけど、いきなりすぎ。というわけで、観たいと思っていたものがどどんと配信されました。というかチャンネル名変更。KADOKAWAチャンネル。洋画も貞子もらしいけど、大映作品もっとください、KADOKAWAさん。

そして、観たい観たいと思っていた『爛(ただれ)』が入っていました。

妻子持ちの田宮二郎の二号(愛人)である若尾文子

「奥さんやきもち焼きなんでしょう」なんて言っているが、もちろん若尾だって本妻になりたい。

田宮が離婚することになり半狂乱(最後には「半」がとれちゃうくらい)の元妻の凄まじさ。

略奪婚がうまくいった試しはない。というか、浮気していた男はやっぱり浮気をするのか。

東京へやってきた姪っ子・水谷良重が同居することになるのだが、を見る田宮の目つきが怪しい。

完全に遺産狙いの後妻業としか思えない友人の妊娠を見て、若尾もまた子供を作ろうとすることに。しかし自ら産めないように処置をしていた。元に戻す処置のための入院中、やっぱりというか、田宮と水谷は……。

映画が終わっても、その先のことを考えてしまう、そんな作品である。

ラストシーン、部屋の明かりを消し、最後真っ暗になるのが、めちゃくちゃかっこいい。

にしても田宮二郎、いい男なのはわかるけど、そこまで愛されまくる根拠がわからん(笑)。いや、わかるけど! いい男だけど! この作品では、って意味です。でも、そこは深く掘り下げなくてもいいのか。冷酷さと、可愛げがあるけれど離したらよそに行ってしまいそうな、手に入らなさそうな男、ってとこがいいのか?

脇の友人夫婦の旦那、偽物の掛け軸を売っていた船越瑛二の「冴えないぶり」がよい。最後にも出て欲しかった!

脚本は新藤兼人