きたはら邦画

午前0時の旧作日本映画案内

『荒原の掠奪者』(1961・新東宝)

モンゴルの大草原では黒衣馬賊と白衣馬賊が争っていた。しかし黒衣馬賊の頭(宇津井健)は残忍な弟(松原緑郎)に憎まれ、一家の絆はバラバラになっていた。そんなある日、宇津井が清朝の末裔の娘(万里昌代)を助けるが…。万里が秘密を握る皇帝の財宝探しが始まるかと思ったら、兄弟で女を争う展開になり、最後まで“血の相克”が物語を牽引する。

シネマヴェーラ渋谷より引用)

監督:下村堯二


出演:宇津井健松原緑郎、藤田進、万里昌代、瀬戸麗子、中野かほる、大友純、五月藤江、髙村洋三、晴海勇三、大谷友彦、宗方祐二、原田一雄、秋山要之助、岡竜弘、東堂泰彦、川部修詩、北川義朗、信夫英一

あんまり好みじゃないかな〜なんて思っていたら、か、な、り、好きだった。兄弟間の争い、めちゃ好きなのかもしれん。いや、めちゃ好き。

宇津井健が帽子を脱ぐと、いきなり現代人にしか見えないところにはちょっと笑ってしまいました。

白衣馬賊に追われる女を宇津井が助けるも、弟の松原(『男が血を見た時』で金持ちバイク乗りだった彼ですね)は猛反対。なにせ親父がかつて同じように女を助けたとき、それによってえらいことになってしまったのである。そして松原の暗い出生の秘密にも関わっていた。

まあもちろんグレるよ弟。弟曰く、母が白衣馬賊に連れ去られたときに暴行されてできた子供、なのだから。

そしてまじめな兄貴の持ち物はなんでも欲しがる。女だってそうである。

母を謝って射殺してしまった弟は、兄貴が連れてきた女と共に財宝探しに。そして宇津井は追いかける。かつての婚約者で、いまは弟に譲った女とともに。

松原らは捕えられていて、救出の際に宇津井は負傷。甲斐甲斐しく世話をし、水を運ぶ元婚約者の姿にほだされだして……。ラストもうだめかってときに親父が助けに登場! でてきたとき、思わずほっとしてしまった(笑)。 

ガンアクションものとしても西部劇感もあり。