きたはら邦画

午前0時の旧作日本映画案内

『湯の町姉妹』(1961・新東宝)

伊香保の温泉旅館、お互いに惹かれ合いながらも煮えきらない旅館の娘・池内淳子と作家の沼田曜一を中心に、そこに集う人々の姿を描いたグランド・旅館・ムービー。新東宝の業務停止直前に公開された本作は既に多くのトップスターが去った中、それまでの新東宝を支えてきた脇役陣にスポットを当てフィーチャーした作品ともいえる。意外な役どころと思わせてちゃっかりとした強かさを見せる星輝美もナイス。(解説:下村健)

シネマヴェーラ渋谷より引用)

 

監督:山田達雄

出演:池内淳子/水原ユカ/沼田曜一/島倉征夫/花井蘭子/島倉千代子/小畑絹子/淺見比呂志/江見俊太郎/星輝美/由利徹/三條魔子/高宮敬二/御木本伸介/白川晶雄/林寬/德大寺君枝/菅原文太/伊達正三郎/花岡菊子/山下明子/上野綾子/万代裕子/若宮隆二/宮田文子

池内淳子さんはメガネを取ったら美人!(ってそりゃそうだ)

旅館に泊まった人々のさまざまを描きながら、島倉千代子の歌唱も。脇役陣といえば、『男が血を見る時』で、なかなかいいなと思っていた淺見比呂志が年上女性と泊まっちゃっててちょっとばかりセクシーなのも「おっ?」と思ったところ。

にしても旅館、リーマン三人組やら老夫婦、訳ありカップルなどなど一癖二癖なメンツだが、従業員の女性陣もなかなかのもの。全員ちょっと小粒ながら「おいしい役どころ」の感じである。

旅館の長女の池内と、作家志望で新人賞受賞(弟が報告にやってくる。そして翌日発つことに……)のお互い憎からず思ってるんだけど、決定的な感じにならないな〜の二人が、ラスト池内が榛名湖まで向かって、馬場所に優雅に乗ってる男に会いにいくところがなんとも素敵だ。出かける際の妹の「お姉さん、しっかり!」の言葉にもちょっとうるっときた。

どうも弱気な男に、女性が勇気を振り絞る、というのが好きみたいです、わたくし。