第三話の続き。金語楼が養子にした戦災孤児の健吉が家出して近所中が捜索。一方の健吉は生き別れの兄を探す。そんなとき出奔していた清川の父（伴淳）が戻り…。兄弟も再会を果たしメデタシ、メデタシ。美空ひばりが小学生とは思えない歌声を存分に披露する一作で、江川一家も幸せになる大団円篇。
（シネマヴェーラ渋谷ホームページより引用）
監督：齋藤寅次郎
出演：柳家金語楼/飯田蝶子/江川宇礼雄/河津淸三郎/野上千鶴子/美空ひばり/淸川虹子/田崎潤/田中春男/杉山美子/江戸川蘭子/淸川玉枝/浦邊粂子/前田正二/伴淳三郎
息子はどこにいるのやら（いや、ちゃっかりシケモク拾いをしているのだが）、まったく見当がつかない人々。
そんななかで、映画の撮影所で、風呂敷の男を発見（また空気を読めない端役をしてみんなに迷惑をかけていたりして）。風呂敷は自分のものではない。「御茶の水まで届けてくれ」とじいさんに押し付けられ、そいつの行方を探しているという。
その貧乏そうなじいさん、実は近所の金持ち！ 鼻持ちならない！ 清川虹子の義理の父であった。清川に追い出され、自分の家から持ち出したのだ。
ないはともあれ疑惑は晴れた。しかし清川はじいさんを精神病院にぶちこむほどタチが悪い。所有地である空き地で子供たちが野球できないように立ち入り禁止にしているし。
精神病院の連中は、家の裏口に穴を掘り、じいさんを捕まえようとするのだが、行方不明になった猫を探しにでてきた清川が……。
なにはともあれ大団円。人力車がベースを一周するラストは観ていておかしいのになんでか泣きそうになる。
とにかく脇役が面白い。清川の家の屈強のお手伝いさん、猫を雑に摘み上げ投げ捨てる書生などなど。
そうそう、映画撮影所シーンで「子役のひばりちゃん」の代わりに歌うことになった美空ひばり（なんか美空ひばりって、美空ひばりに「似てる」って設定の役多くないですか？）、またまた堂々とした歌唱を見せる。歌うたんびに監督に「五万円（ギャラ）」と確認するところが楽しい。
