きたはら邦画

午前0時の旧作日本映画案内

『街の灯』(1974・松竹=田辺エージェンシー)

ポン引き稼業の男とブラジル帰りの老人とアイドルに瓜二つの少女の珍道中を描く人情喜劇。苦節の人生を経た老人役の笠が想定外の怪演!

神保町シアターホームページより引用)

 

監督:森﨑東

出演:堺正章栗田ひろみ笠智衆森繁久彌財津一郎フランキー堺

 

兄貴分の財津一郎(これがまたコミカルでよい!)は社長の森繁の夜のお相手探しを生業にしている。弟分のチャラくて馬鹿な堺正章も手伝うが、大失敗。さて、かわいいCMタレントそっくりの女の子を見つけ、名誉挽回とするはずが、彼女は笠智衆とともに九州に向かっていた。マチャアキもまた追いかけることになるのだが。

 

途中で出会う「童貞整形外科医フランキーと整形失敗研ナオコカップル」(すげえ)や女子プロレスラーたち、捨て子の赤ちゃんの身寄りのない女の子とメンバー(?)は増えていく。そしてなんとか辿り着いた九州では、かつてブラジルに旅立った笠智衆のかつての愛する人がいた。

笠智衆がかわいい。小津でない笠智衆のコミカルさよ。ゴミ箱の食べ残し弁当を食う、無表情で銀行強盗、留置所にぶちこまれても飄々としている。そんな笠智衆の魅力が満載である。

さて、マチャアキと女の子は、笠智衆と一緒にブラジルに行き、結婚できるのか。

というかCMタレントにそっくりさんの女の子の正体は。

ラストの唐突の悲劇、そしてやけっぱちに歌い踊るマチャアキ。そう、これはロードムービーであり、青春映画だったのだ。