邦画と銭湯

映画を観て風呂に入るブログ

『お國と五平』(1952・東宝)

夫の仇討ちのため復讐の旅を続ける武家の後家と奉公人。いつしか二人の間には主従を越えた愛情が芽生えるが、そんな折に目指す相手が現れてしまう──。谷崎潤一郎の有名戯曲を映画化。お國に妖艶木暮実千代

ラピュタ阿佐ヶ谷ホームページより引用)

 

監督:成瀬巳喜男
出演:小暮実千代/大谷友右衛門/山村聰/田崎潤/鳥羽陽之助/三好栄子/藤原釜足/小倉繁

 

9月10月のラピュタのモーニングは小暮実千代特集。観たいのいっぱいあるんだけど朝10時半にラピュタに行くのは(毎度言ってる)。

で、今回は谷崎潤一郎原作の『お國と五平』をとりあえずマストとした。成瀬巳喜男だしね。

小暮と山村は恋仲だったんだけど小暮が別の男と結婚。夫婦仲は、悪くはないけれど、どこか通じ合わない。

あるとき山村が夫を殺害し、小暮はお供を連れて仇討ちの旅にでることに。でかけるときはみんなが大騒ぎで見送ってくれたけど、薬売りの話を聞くと、どうやら他にもいない間に問題が起こり、すっかり忘れ去られている模様。そもそも山村を倒すのはいつになるのか。旅に疲弊する小暮。そして小暮につかずはなれずいてくれる大谷友右衛門(献身的でいい男)と深い仲に。

もう仇討ちをやめたい小暮だが、大谷は小暮に愛されることと立身出世を夢見ていて。そんなときに、あやしげな尺八の音色。

そう、山村も尺八を吹いていたのだ。山村は二人のあとをつけていた。そしてこんな仇討ちなどやめろというのだが、ひくにひけない!

谷崎的な身分違いの献身的通り越した愛。美しい二人は目的を果たし、故郷へ。これからどうなるのか。無常の風が吹く。